慈眼寺 副住職ブログ

慈眼寺バリアフリーへの道(序)

本日、勤務先の学校で異様な光景が!

まさか!え?なに!?怖い!!!

バリアフリー1 

コレでした。

校舎のエレベーターのないエリア用に導入が検討されている?段差克服マシーン。

バリアフリー2

 

写真の人物はパンフレットを撮影したものですが、元気いっぱいのなかなかの体格の先生も試しに降りられてました。どうやらパワードスーツ的に押す人の介助機能もある乗降機らしく、階段自体になんらかの器具を設置する必要は全くなく、まるでガンタンクのようにどんな段差もじっくり上り下りする模様です。

実はお寺というのは日本家屋の中でも極めつけに車椅子に対する障壁が高い建築物です。まずそもそも石段の上、さらに高床、そして敷居があって畳ということでバリアだらけです。最近は高齢者の方も正座を嫌がられる方も多く、本堂にも椅子は必須になってきています。そこで慈眼寺のバリアフリー度は・・・って、何気なく検索したら全くあずかり知らぬうちに、慈眼寺のバリアフリー度が評価されているページを発見しました。

http://narashikanko.or.jp/barrierfree2/1/index.html 

 いやー知らなかった。

 さて、この情報、見たところおそらく10年以上前の情報ですので、この機会に訂正させていただきます。

(1)上記ページの④慈眼寺会館は現在はありません。ここも  駐車場になっています。そして駐車場から境内へは完全バリアフリーで問題なく来ていただけるようになっています。ただし③のところの本堂までの段差と石段は相変わらずありまして、本堂への車椅子での参拝は現在非常に困難なままです。

(2)②の山門はご指摘の状況のままです。

(3)④の慈眼寺会館のトイレは新築され、地図上の①と④の間くらいのところにあります。男子用小便器×3、和式トイレ×1、様式トイレ×1があります。ご使用に際して連絡などは必要ありません。ただし、トイレには段差があります。

高齢社会が進行し、遠からず3人に1人が65歳以上になると言われています。

そもそも、宗教施設こそが率先してユニバーサルデザインを率先して導入していかなければなりませんが、伝統的建築ゆえの難しさもまたつきまといます。

 慈眼寺は近鉄奈良駅から徒歩6分の非常に便利なところにあります。「日本一交通の便がいいやくよけ寺」とまでは言いませんが、「奈良一交通の便がいいやくよけ寺」なら言えるかもしれません。本当に気軽に立ち寄っていただけます。車でも大通りからほんの少し入ればすぐです。駐車場から本堂もあっという間。街中の小さいお寺ならではのよさです。とはいえその近鉄奈良駅自体のバリアフリー度の低さといったらこれが世界遺産のある駅か?と驚くほどです。子供が出来てベビーカーを押すようになってますますそれを痛感させられました。(ちなみに名古屋駅も相当ひどいです。)そしてせっかく慈眼寺に来ていただいても、足が不自由な方々がなかなか本堂まで上がっていただけない。私自身、なんとかそこを克服できないものかと思案しています。動線確保や予算の問題がつきまいといますし、保守工事の費用や安全面の問題もあります。

 一口にバリアフリーなどと言いますが、学校や公的施設において、形だけ、予算だけのバリアフリーが世の中に溢れていまして、実際には登れない急なスロープや、角度がきつすぎて曲がれないスロープ、わかりづらいエレベーター、ものすごい遠回りを強いられる通路などまだまだ日本にバリアフリーは浸透していません。私もこれだけ言っておきながら、何年もああすれば、こうすれば・・・と考えるばかりでなかなか実行に移せていません。今回の乗降機は買取だと50万でレンタルも可能だそうですが、どうせなら、まさにユニバーサルデザインで、足で元気に歩く方も、少し足が不自由な方も、車椅子の方も、同じように使えるお寺に構造改革できないものかと、家庭用エレベーターのカタログを見たり、通路や本堂を眺めたりしてああでもないこうでもない、予算はいくら・・・と悩む日々です。

 千里の道も一歩から。既にバリアフリーのお寺を実現された方も東大阪などにあるようです。視察がてら参拝させていただき、どうせなら目標はでっかく、「日本一のバリアフリー寺」と呼んでもらえる日がくることを目指して、頑張っていきたいと思います。経過は逐一ここで報告させていただきます。