慈眼寺 副住職ブログ

アシュラ、ウチにもあります

先日から続く、仏像シリーズがびっくりするほど好評で、アクセス数がいつもの2倍になってしまい、困惑している副住職です。あ、もちろん人気のブログからすれば失笑されてしまうようなアクセス数ですが、当社比2倍は2倍です。相対評価でいきましょう。しかしなんであの日記がそんなによかったのか。いつももっと気合入れて書いているのに。やっぱり阿修羅?やっぱり阿修羅なのかな?あ、阿修羅ならウチにもあるんですよ!

 

 

 

 アシュラマン

仏師ゆでたまご作です。

 

 

 

・・・って、こういうの、ダメでしたか?昨今ブログで炎上とかありますからね。おちおち冗談も言えません。とはいえ、よくできてるでしょ?アシュラマン。10年以上前にこれを見つけたのですが、お坊さんとしてはこれを見たらさすがに買わないといけませんよ。なにより完成度が高いですから。

今年42歳の本厄の男性は私のひとつ上の昭和49年生まれ。思いっきりキン肉マン世代です。キン消しにハマリ、ガンプラにハマり、ビックリマンにハマり、ファミコンにハマり、ミニ四駆にハマりと、高度経済成長のあとの一休みの時代に大量消費社会の洗礼を浴び続けた世代です。ゲーム機の発展もほぼ全て体験してきた世代でもあるでしょう。同時に、近所の子供と虫を取ったり魚を釣ったり、ベーゴマを回したり、けん玉をしたりといった、昔ながらの遊びをした最後の世代でもあります。みんなが同じものを追いかける単純な価値観の時代はもうとっくの昔に終わりましたし、終わったほうがよかった部分もあるのですが、キン肉マンの話をすればいまだに盛り上がれるシンプルな感覚が、この世代でよかったなと思ったりもします。それとも、今の子供たちも30年くらいして妖怪ウォッチの話で盛り上がるんでしょうか。結局同じなのかもしれませんね。

 有名な話ですが、記録に残る限り歴史上はじめて「今どきの若いもんは・・・」という発言をしたのはヘロドトスだそうです。2400年以上前の人です。つまり論理的にありうる可能性はたった二つ。有史以来人類はずっとダメになり続けているか、いつの時代も年寄りが勝手に悪くなったように感じているだけで全く変わっていないか。仏教にも末法思想というものがありますが、それによると1052年からずっとこの世は末法です。2015年は「世も末も末も末」です。終わりまくっているという話になります。それでも、2015の今も人は初詣に行き、厄除けをしたいと願い、お墓参りをして手を合わせているいる。変わることは、必ずしも悪いことではない。進化のことを進歩とよく間違えている人がいますが、ヘーゲルでもあるまいし、歴史に方向性はありません。ただただ人も生物も世の中も変わり続けて留まりませんが、良くも悪くもなっていない。そう思います。