お坊さんのHPを2ヶ月で月間1万PVにするまで(1)
実は密かに目標にしていました・・・
「月間1万PVを達成する方法」-こんなタイトルのブログをときどき見ていて、「いつかは俺もこんなことを・・・」と思ってメラメラしていた私も晴れてこの「1万PV」というキーワードを使えるようになりました。(訪問数は月間2000)当然この1万という数字は人気ブログのいわば登竜門的な数値に過ぎず、世の中には一日で何万PVも叩き出したり、月間30万PVだったり、100万PVだったりするブログもあります。月間50万PVあれば初任給くらいの額をブログ一本で稼ぎ出すことも可能だそうです。
が!
ブログで儲ける気は全くありません!
誤解されてはいけないのでしっかり断っておきます。当HPはアフィリエイトなどアクセス数やPVでお金を稼ぐなどのシステムは一切備えていません!
ただただやくよけ観音慈眼寺を世間に知っていただきたい、大法要の日がいつで、場所はどこで駐車場はどこなのか、そこを皆さんに知っていただく手段としてのみ存在します。ですからPVやアクセス数は完全に私自身の達成感のためだけに一つの目安として参考にしているものです。ウチの場合、多ければいいというものではありません。
さらに、1万PVという数値も、ブログ一本で出したものではなく、HPのコンテンツを全て総合したものですので、ブログ一本で勝負なさっている方々とは比ぶべくもない、ということは重々承知しております。
手段と目的をしっかり見極める
ですが私の場合、目的はあくまで慈眼寺のことを知っていただくことですので、副住職個人のことを知ってもらうことではないのです。さらに、慈眼時に実際ご参詣していただくこと、その結果「来てよかったな」と思っていただけること、これが最終的なゴールです。手段と目的を履き違えてはいけません。ブログが大人気、お寺は誰も知らない、では何の意味もないのです。
お寺ブログの大変さ
さらに「お寺のブログ」というジャンルの特殊性を説明する必要があるでしょう。そもそもお寺にHPが必要か、ということに疑問がある方もおられるかもしれませんが、その点に関しては独立してお話できるほど大きなテーマですので後日また書かせていただきます。ちなみに私は必要だ、と考えています。
ブログについてですが、これは書いてみて非常に大変でした。実は若いお坊さんの仲間うちでよく言われるのです。「よくやるよ。あんなことしても百害あって一利なしだよ。」「書きにくいでしょ?炎上とか今怖いし。」「ただでさえお坊さんって叩かれやすいのに、よくやるよね」「よく毎日書くネタあるよね。」「ヒマなの?」どれもよくわかるご意見です。そして実際に当たっています。
そもそもデリケートな職種です
お坊さんって「品行方正」だと思われがち、ならまだいいのですが、正確には「品行方正なフリして中身はみんなどうせ生臭なんでしょ?」という見方が結構浸透してると思うんです。叩く準備はできてるぜ、みたいな。たぶん教師と警察官も似たようなところがあります。ヤフーニュースでも「○○市の教員が痴漢」とか「○○の警察官が覚せい剤」などとデカデカと書かれて、コメントに「最近多いよね!」って書かれてます。ああ!あと公務員もですね!
そんな職業のうちお坊さんと教員をダブルでやっていることを明かして、なおかつ匿名ではなく所在地も明かし、あまつさえ「アクセス」までご丁寧に写真入りで紹介しているのです。もう炎上して叩かれたい即身成仏狙いの人としか思えませんよね。違いますけど!
誰でも一つくらい贅沢する部分もあると思うんです。たとえばふつうの人が今日はフォアグラを食べました!ってフェイスブックに書いたら、イイネ!で終わりです。彼女できました!カワイイ!で終わりです。外車買いました!スゴイね!で終わりです。でもコレをお坊さんがブログでやったら大変です。親鸞さん状態です。島流しに遭ってしまいます。あそこまでいけば立派なんですが。
内容は選ばねばならない。しかしそれは当たり前のことだ。
と、いうわけで、書く内容は当然限定されます。たまにお付き合いや結婚式に呼ばれてご馳走を食べることもあるでしょう。しかしそんなことは書かない方がいいでしょう。ざっくばらんな言動は好まれるでしょう。しかし誰かを傷つけるような言動だけは避けねばなりません。匿名ならばある程度過激なことも書けるかもしれません。しかし私は身分を明かして書いています。やはりイメージというのはあります。でも、ちょっと考えてみたんです。そんなことは、あたりまえなのではないか、と。多かれ少なかれ、誰しも書けることと書けないことがあります。何でもかんでも晒すのがいいわけがありません。誰だって見たくないことはあります。それをことさら見せるのは「正直」でも「誠実」でもないでしょう。人をなるべく傷つけないのもお坊さん以前に人として当たり前のことです。色々と条件が厳しい分、羽目を外す心配がなくて、よかったくらいだと気づきました。
岡田斗司夫の「いい人」戦略
オタク界で有名な岡田斗司夫という人がいます。彼の語り口は軽妙で非常に面白くて昔から好きなのですが、この戦略については、友人から紹介して知りました。彼は「いい人」になることこそが現代社会で最も有効な戦略だという主張を最近展開していたようです。全部それを紹介するのは時間がかかるので、ポイントとなることを一つまとめると、「いいひと」戦略の要諦は、「表」と「裏」の差異を少なくすることみたいです。これは納得できる考えです。表でいくらいいいことを言っても、裏で悪口を言っていればそんな人は嫌われます。そんなくらいなら、表で悪口を行っている方がよほどマシです。たぶん世間の評価の順番はA「表:良+裏:良」>B「表:悪+裏:悪」>C「表:良+裏:悪」の順でしょう。三番目のCの戦略は、バレなければAと同じなのですが、バレた途端に最悪の評価になってしまいます。自分の心の美しさに自信がないか、自分の裏を隠す能力に自信がなければ、基本的には表と裏の差異をなるべく少なくすることが結局一番賢いということになります。もしくは一切話さないことです。実際には岡田さんは最近数多くの浮気がバレて大炎上してしまったみたいなので、理論と実践は別なんだなぁと思うわけですが。
詰まるところ「誠実」と「沈黙」の価値を知る
結局、どんなブログでも、基本線として表と裏の差異をなるべく少なくすること、同時に、言わなくてもいいことに対しては沈黙すること、という2つのことが最も重要だと気づきます。これは人間関係と同じです。ブログを書くことは、自分の人間関係を見直すためにも非常に有効だと思いました。ブログを書くように日々過ごせば、いいのです。先生であれば、毎日が参観日だと思って授業することが理想です。たまにはハメをはずすのもいいですが、ハメを外してばかりでは、それはハメを外したことにはなりませんから。
と、いうわけで調子に乗ってお坊さんのブログの基本的な話を少し書いてみました。続いてもうちょっと実践的な、「具体的にどうすればいいの?」というスキルの話をしていきます。