YDM第5回 「山城国に女子の極楽浄土あり」の巻
さてさて、久しぶりのYDM行ってみましょう。今日はお花屋さんです。
突然ですが、お坊さんというのは、あまりお花が好きではありません。それとも私だけなのかな?いつもいつもお墓に供えられた花が枯れてから、それらを大量に集めてビニル袋にまとめる仕事をやってみたら、よくわかると思います。花は枯れ、水は濁り、匂いもきついです。けっこうな重労働です。お花屋さんもきっと綺麗事ではできないかと思います。ですが、今日は綺麗事で!水面下の水かきの動きを忘れて思う存分優雅な夢の世界で楽しんでいただいて結構です。
「奈良市(付近)で、全国レヴェルで女子に人気のお店はどこか?」と聞かれたら、ひとつは既に紹介した「くるみの木」、二つ目はココか、あと一つくらいしか浮かびません。週末になると駐車場が車でいっぱいになるフラワーショップ、そんなお店、普通ないですよね?それが「VERT DE GRIS」です。
お花屋さんといえば巨大なガラスケースで、なんか花の匂いがすごいなんとなく湿った場所を想像しますが、ここはまるで庭のよう。そこに生えているかのように自然に美しい花々が顔を覗かせます。
極彩色の花ではなく、いい意味でどこかくすんだような、セピア色というか、なんと言えばいいのでしょうか。「製品」が並んでいる感じがしない、といえば良いのでしょうか。花束一つにとっても、普通のお花屋さんが作り物めいた美しさの花々を機械的に花束にするのに対し、「計算された無造作」と言いますか、ごくごく自然な感じにアレンジして花束を作ってくれます。色調も先ほど言ったように、ピンクのバラでも、どこかココアミルクのように茶色がかったピンクであったり、イエローでも、記憶の中で自分が昔着ていたセーターのような黄色であったり。温かみのある店内の絶妙なライティングのせいもあるのかもしれませんが、実に暖かく、懐かしい色合いに映ります。柄にもなく花の美しさなんて文字で表現しようとすると、語彙の限界を感じますね。写真でも伝わるか心配です。
それにしてもひときわ存在感を示すのが、店内のど真ん中に「生えている」巨大な・・・アレなんなんでしょう。水道管?ポンプ?BBまわり?(それはない)ここはもと水道局のポンプ小屋だったそうで、そのときの名残かと思われますが、まるで一本の巨木のように、店内に「生えています」。本当に、巨大な鉄の塊なんですけど、やたらと生物的で、生きている感じがものすごくします。巨大な木の根元で、たくさんの美しい花々が咲き誇っているような、そんな生物的なあたたかい空間です。
さらに店内には服や若干の雑貨もあり、さらに併設のカフェではこれまた手作り感のあるケーキやカレーなどの軽食もあり、若い人だけでなく、年齢層の広い女性や、家族連れが集まり、思い思いに花束を作ってもらったり、お茶をしたりしています。ときどき服の作家さんの個展というか販売会のようなこともしていました。さらに人気がありすぎて、ちょっと離れた場所に雑貨専門のスペースができ、フラワーアレンジメントの教室もそこで開いているとか聞いたことがあります。とにかくいつも女子が目を「♡」にしてココを目指す気もわかる気がします。
このお店の場所は、奈良県の県境に限りなく近く、車で一瞬といっていい場所にあります。たぶん洛中の人は、「木津?あそこは京都とは違いますぅ。奈良と違いますかぁ?オホホ・・・」と思っているか感があります。知りませんけど。しかし、このすぐ近くには「Green fingers」というこれまたオシャレなお花屋さんがあり、奥さんのご機嫌をとるときにはどちらかでお花を買うのですが、別に大きな花束を買わなくても、本当に奥さんに満足して頂けます。「Green fingers」さんは以前は奈良町の方にあったお店が移転してこっちにこられたかと記憶していますが、ここで買ったお花はとにかく一本でも絵になるというか、ここも自然な風合いのお花なのですが、1本1本に凛としたたたずまいといいますか、華道的といいますか、気品のある感じがします。僕はお花のことはよくわかりませんが、とにかく長もちしていつまでも美しいのにはびっくりしました。とにかく、これほどお花偏差値の高いエリアも珍しいのではないかと思われます。もう少し北上しますと、パン偏差値の高いエリアがありますし、すぐ隣の精華町は日本一の人口増加率ですし、城山台の巨大な住宅街はこれからどんどん発展しそう。実はリニアの駅もこのあたりにできるとかできないとか・・・。木津はこれからも要チェックポイントですね。奈良・山城連合軍で、洛中なんかにゃ負けないぜ!(というか、奈良を見捨てないで!)