YDM第6回 転害門手前「きたまち豆腐」
さて、今日のYDMは、2013年にオープンしたお豆腐屋さんを紹介します。2013年の5月17日オープンとのことで、私の娘とほぼ同い年!二週間だけ早い。どおりでオープンしたのを知らなかったはずです。その年はもう娘にかかりきりでしたから。
場所は一条通をひたすらまっすぐ、転害門に着く、少し手前、東包永町というところ。奈良公園からもちょっと頑張れば、歩いてこれます。般若寺へ行くなら途中ですね。
駐車場もバッチリあります。ほかの方のブログを見ると、看板などもすべて店主さまの手作りだとか。すごい!
私ね、「豆腐料理屋」っていっぺん距離を置いてみたいというか、ちょっと胡散臭いなって思うわけですよ。豆腐って庶民の食べ物でしょ。街を売り歩いて「トー♪フー♪」じゃないですか。本来は。それが高級豆腐屋さんになっちゃうと、なんだかこじゃれたものを付け足して、豆腐の味わからなくして、お庭とかシシオドシで雰囲気で食べさせて、何千円も取っちゃう。アレってどうよ?っていつも思ってたんです。京都の湯豆腐とか高すぎますよ。ソレだったら男前豆腐買うわ!と。そう思ってたんですよ。
しかしココは違いましたね。庶民的です。「豆腐屋スピリット」を感じます。でも美味しいんです。場所がもう気取らないところですよ。若草中学のすぐそばですから。いいところですよ。奈良のある意味メインストリートです。一条高校もくるみの木も佐保小学校も全部この通り沿いです。(いつもお世話になっている黒石材店さんもこの通り沿いです。)その、どんつきに転害門。平重衡の火にも、松永久秀の火にも耐えた東大寺の守り神の門。その中にあるのが鼓阪小学校。このあたりの人間にとって生活のど真ん中、原点を走るまさに一条の通りがこの通りです。かつて聖武天皇が、東大寺の守り神として八幡神を勧請したときには八幡神はこの一条通を通って東大寺に入ったとされます。この話は実は慈眼寺にも遠まわりして関係してきますのでまた明日にでもお話します。
庶民の生活の大動脈であるその一条通の終点近くにできた、このお豆腐屋さんですが、実にレトロでいい店構えです。レトロなだけでなく、清潔感もあり、現代的なセンスを感じさせます。まぁでもごたくはいいですよね。豆腐です。豆腐屋ですから。
私はおからドーナツと青大豆おぼろ豆腐とおぼろ豆腐を買ったんです。そりゃ、ちょっとだけ高いですよ。背伸びして買いました。普段はただのパック豆腐ですから。でも男前豆腐の高いやつとそんなに値段は変わりません。で、味です。
どっちを食べても実に実に実になめらか。なめらかすぎる。プリンよりなめらか。なんていえばいいんでしょうか?大豆ブリュレ?豆の味がしっかりするんです。個人的には青豆のほうが好みかな?最初ちょっと醤油かけて食べたんです。「普通かな?」と思いました。迂闊でした。食べ方間違えました。すいません。そのあと、何もナシで食べました。うまいんです。何もないほうがうまい。そんなバカな!でしょ?豆腐って醤油とか鰹節とかミョウガとかポン酢とか、そんなやつで食べるもんでしょ?違うんですよ。謝れ!豆腐に謝れ!ですよ。豆腐って、こんな味だったんですね・・・。豆腐さんごめんなさい。あと、もっとオシャレな感じで食べる写真撮ればよかった。その点もごめんなさい。娘に食べさせる用の器で撮ってしまいました・・・。
でも逆に、この写真で私が言いたいのは、1歳8ヶ月の娘にまず食べさせたい豆腐だということなんです。結婚後6年間、なかなか子供ができずに苦労してようやく授かった一人娘に安心して食べさせたい。そして本当の豆腐の味ってこんなんなんだよとこれを食べて感じてほしい、そんな豆腐でした。そしてそんな豆腐がすぐ近くで売っている幸せ。奈良はやっぱりやればできる町です。