清田雄司画伯の版画について
このHPのトップページには、画像が移り変わるところがありますが、そのフレーム代わりにオリーブ色といいますか、うぐいす色の何とも言えない色が配置されています。このあたりのデザインは、このHPを作成して頂いた方に何度もわがままを言い、ときには「コレ全部ナシにしてもらってもいい?」などと「ウェブ制作者が顧客に言われて脱力するあるある」のトップ3に入るような要求も、あるあるだけにやっぱりやったりしながら、なんとか出来上がった主にその方の苦心の結果の作なのです。スイマセン(笑)で、今日はその裏話ではなく、そのうぐいす色に浮かび上がるシルエットの説明です。
デザインの関係で分かりづらいかと思いますが、コレは慈眼寺の境内にある樹齢400年以上の柿の木を版画家の清田雄司画伯が版画にして頂きまして、その作品を透かして浮かび上がらせています。もうちょっと目立たせたかったのですが、全体のバランスを考えるとこれが限界のようで、今回、「慈眼寺について」のページに新たにその作品の画像を加えてみました。ちょっと携帯で撮った写真ですので申し訳ないのですが、近々もう少しマシな画像に変えますのでご容赦下さい。この作品は慈眼寺の本堂の向かって右側の壁に展示してありますので、ご参拝の際は是非ご鑑賞下さいませ。
実はこの清田画伯、その作品が大英博物館に収蔵されているようなすごい芸術家さんなのですが、この柿の木の天を掴むように上へ上へと伸びるさまを実に生き生きと切り取ってらっしゃるなぁと、いつも見上げて感服しています。柿が実る秋でもなく、青い葉が生い茂る夏でもなく、わざわざ葉が落ちた冬の様子を描かれているあたり、「分かってるなぁ」とちょっと上から目線で思っちゃったりしています。私の部屋まさにこの柿の木の下にあり、この柿の木を見ながらずっと受験勉強をしていたので、この木のことにはちょっとうるさいのです。たぶん住職以外では一番この木に接している人間でしょう。この木が一番存在感があるのは、この、葉が落ちたときなんですよねぇ。黒々として、コブが隆起した力強い樹勢そのままに天を目指すこの木の姿は、本当に遠くからでも生えます。おまけにいつまでも現役で毎年鈴なりの実を実らせる生命力。関ヶ原の戦いくらいからここに生えている高さ3階建て相当の巨樹って、柿の木としては本当にすごいと思います。市の指定文化財ですが、もし接木されていなければ、確実に天然記念物に指定されていただろうとのことです。この木は甘柿なので接木されているんですね。でもまぁ、そのおかげで毎年甘い柿が食べられるわけで、それはそれでよかったのかなと思います。
桃栗三年柿八年、ですか。柿四百年まで続くとは。継続は力なり、というレベルを超えたスケールの柿の木、ぜひ一度ご覧になって下さいませ。