先日衝動買いしてしまったのは・・・
先日のブログでwhoo bicycleさんで衝動買いしてしまったモノについては書いていませんでしたが、紹介しちゃいます。
サドルです!san marco Regal
ロード乗りなら誰でも知ってると言っていいほど、メジャーなサドルです。1984年にはじめて発売されたようです。このサドル自体は特に珍しいものではないのですが、このパンチング模様のサドルは2011年に復刻された懐古趣味のもので、現状メーカーから買うことはできませんのでたまたま売れ残っていたこのサドルに飛びついてしまいました。一番ベーシックなモデルだとリベットは赤銅色で、それはそれでいいのですが銀色のこちらもまぁいいかなと。
さてこのリーガル。誰でも知ってるとは言いましたが、いざ、実際に使用している人となると、思ったほど多くはない。価格としては決して高いものではないのですが、一番のネックはその重量。380gという重量は最近の軽量サドルと比較すると倍近い重量になります。フルカーボンサドルの場合下手したら3倍も行くかもしれません。ですのでこんなサドルを今わざわざ選ぶ人は、懐古趣味の人か、お尻がコレしか無理!という人だけ。
そもそもサドルというのは非常にデリケートな部分です。命に関わったりタイムに関わったりという部分では接地面に近い部品の方が重要ですが、自分の肉体に一番近い部分であるサドルは、合う合わないが極端にでるところでもあります。正直、合わないサドルのサイクリングは地獄ですし、無理すれば健康上の問題も引き起こすかと思われます。スポーツ自転車に乗らないうちは分からないものですが、柔らかいサドルなら痛くないというわけではありません。乗り出してすぐサドルが合う合わないと文句を言われる方がおられますが、まずは黙って乗ることをオススメします。問題はサドルではなく、お尻の筋肉の問題です。乗りこなして筋肉が発達すれば、長距離を移動する場合、柔らかいサドルの方が実は疲れる。固くても自分のお尻に合った形のサドルであれば、そちらのほうが何百キロ乗っても痛くなりません。私はお尻が鈍感な方で、「結構なんでもいいや」というタイプなのですが、敏感な人は大変です。理想のサドルを求めてひたすら自宅にサドルコレクションをしていくことになります。これを俗に「サドル探しの旅」とローディーのあいだでは言います。
で、このリーガルの座り心地には定評があります。硬いが、安定し、座面が広いので色々なポジションが取れるなどと誉める人は非常に多いです。ところが二つの大きなデメリットがあります。先ほど言った「重量」と、そして「厚み」です。最新の薄くて軽量なサドルに比べ、厚みが倍ほどあります。そうするとどういうデメリットがあるかといいますと、これが情けない話ですが、「短足っぽく見える」、見栄えの問題です。なぜサドルが厚いと短足なのか。背が高い人、足が長い人はサドルが上になりますよね?サドルの下の長い棒をシートポストとかシートピラーというのですが、この棒の部分を長く伸ばすほど、自転車の姿は美しくなりますし、「あ、この人足が長いんだな!」と思われます。サドルの厚みがあると、その分、シートピラーの出せる部分は短くなります。結果、停まっている自転車を見て「短足なんだな」と思われそうな気がします。ハイ、完全に見栄っ張りの原理です。
正直重い重いと言っても数百グラム。数キロ落とす余地のあるお腹の出っ張りを気にする方がよほど重要なのですが、ついつい軽さに惹かれてしまうのも人間の弱さ。足の長さが変わるわけでもないのに長く見せたいのも人間の業。そんなくだらないことにこだわってなかなか試せなかった銘品サドル、リーガル。それをついに試す日が来たのです。
前置きが非常に長くなりましたが、結論を単刀直入に。
すごくいいです。めちゃくちゃ安定します。みさんのクチコミの通り。全然痛くないし、ペダリングしやすいし、どこに座っても快適。おまけに見た目はクラシカルで素敵。もう言うことなし。俺はなぜ重いだの厚いだの文句を言ってきたのか・・・。俺が頑張って痩せればいいじゃないか、足が短いのは仕方ないじゃないか。なぜ俺はこんなことに気づかなかったんだ!
そんな後悔に襲われること必至、噂に違わぬ名作サドルでした。衝動に任せてよかったよかった。