ゆりの咲く瞬間
今日、朝読経しておりましたら、突然須弥壇にお供えしていたお花のゆりのつぼみの花びらが一つ、「はらり」とほどけました。
ゆりの花というのは実に景気のいい感じで咲き誇るものですが、飾ると厄介な花でもあります。花粉が落ちるうえに、この花粉の粘着力がものすごく強い。手についたらなかなか落ちません。着物についたらもう大変です。ですので、気がついたら雄しべはとってしまうほうがよいそうです。そのほうが花の持ちもよくなるとか。
とはいえゆりの花が咲く瞬間ははじめてみました。もっとこう、ポン!と咲くのかと思っていたのに、着物を脱ぐように「はらり」。そのあと何の変化もなかったのですが、ハサミを取りに行っているあいだに、もう2、3枚の花びらが開いていました!そんな感じなのか!
と、いうわけで、花粉いっぱいの雄しべをハサミで切り取り、紙に包んで捨てました。雄しべが雌しべを取り囲んでいる様は、なんだか美女を取り合う野獣の姿のようです。あの美しいゆりのなかで、美女の取り合いが行われているんですねぇ。
いやはや、本堂の中で考えるにはいささか不謹慎な内容でした。反省。