施餓鬼幡
今日は施餓鬼幡(旗)を黙々と作っていました。
お盆のお施餓鬼法要のときにお塔婆と一緒にお配りするもので、基本的には先祖様がおうちへ帰るときの目印になるもの、とされています。お盆が終わったら、お盆のお飾りと一緒に燃やしてしまうものです。形や色は地方や宗派によって相当違いがあるようです。そもそもお施餓鬼をするかどうかも、宗派によって異なります。お盆と一口に言っても、8月前半にお墓参りを檀家様がなさって我々が「墓回向」を行い、そのあと13日、14日あたりにお坊さんが檀家様の各家庭の仏壇までお参りする「棚経」があり、最後にお寺に檀家様が一同に会し、ご先祖様へのお塔婆回向を行う「施餓鬼」の法要があります。お施餓鬼は基本的に1つのお寺だけでするのではなく、同じ宗派や同じ地域のお坊さんが集まって行いますので、お施餓鬼の時期にはお坊さんはいつもどこかのお施餓鬼をしています。
そんなわけで、「お盆にはお坊さんが忙しい」という場合の「お盆」とは8月13日、14日のことだけではなく、「ほぼ8月全てがお盆」ということになります。これに地方によっては7月盆のところもありますので、「お坊さんの子供には全然夏の思い出がない」という悲しいあるあるがあります。私は夏中親戚の家に預けられていました。
さて施餓鬼幡。こういう地味な作業をするときは、色々な「キャラ設定」を頭に思い浮かべるのがいいです。地味な作業がエキサイティングになります。今日は、自分が「施餓鬼幡作り50年の熟練の匠」という設定で作っていました。「和風総本家」で特集されている感じです。「まぁ、お盆やからというより、私、もうずっと50年お盆ですわ」を決め台詞に黙々と作っていました。まぁ、バカだと思いますが単純作業が楽しくなります。こういうやり方、オススメです。仕事が長続きしない人は是非。