慈眼寺 副住職ブログ

コンプレッションウェアあれこれ

10年前にはほとんどなかったのに、今当たり前のようになっているものに、「コンプレッションウェア」というものがあると思います。
コンプレッションウェア?ナニそれ?という方。アレです。走ってる人がシャツや半パンの下に着ているぱっつんぱっつんのアレ、野球選手がユニフォームの下に着てる黒いアレですよ。効果としてはそもそもどうなのよ?という素朴な疑問はおありでしょうが、保温と故障の予防あたりがまぁ基本的なところでしょうか。

 私、アレに結構興味がありまして、色々試してみたところの感想を述べたいと思います。

 

着るサプリ(?)SKINS

skins001

まずは元祖コンプレッションウェアと言っていいでしょう。SKINSです。キャッチコピーは「着るサプリ」!大きく出たなオイ。
大きく出たような気もしますが、そもそも何を意味してるかよくわからないコピーでもあります。
とはいえ、次々と類似品をのちに生み出すことになった記念碑的商品です。
「段階的着圧」によって末端から心臓にかけて段階的に圧力をかけていくことで、体の負担を軽減するのが主な目的です。さらに、圧力をかけることで筋肉の揺れを防ぎ、筋肉痛を防いだり、リカバリーを促進したりする、ようです。
とりあえず、バドミントンと自転車をこよなく愛するひとりのおっさんが試した感想ですが、実際どの程度顕著な効果があるかと言えば、「ちょっと分からない」というのが正直なところ。筋肉痛が軽減・・・されたような気もする。だが、わからない
ただし、自転車ではズボンの裾はチェーンに巻き込まれてしまいますので、ピタッとしたスパッツ素材は保温のために有効です。まぁ、どんくさい人が素早くなったり、タイムが上がったりはしません。全然しませんし、この商品はそんなこと目指してもいません。
とりあえず

・ピタッとして気持ちいい。
・なんとなくかっこいいので気持ちが盛り上がる。
・夏は暑苦しい。
・ロゴはすぐ剥がれる。

これが主な特徴です。でもそれでおっさんが仕事終わってからひとっ走りするか!と思えたら十分じゃないですか?
あ、あともう一つあった。身体を締めるので、ポッコリお腹がちょっと誤魔化せます。

この商品、というよりコンプレッションウェアというジャンル自体を、カスタムプロデュースという会社が何年もかけてコツコツ育て上げたのですが、数年前に伊藤忠とデサントというどでかいカンパニーにアジアでの専売権が買われまして、なんだかデザインや質感が変わってしまいました。私の所有しているのには旧バージョンで、もうすっかり伸びて、ほつれて、薄くなっているのですが、新型はどうしても気に入らず、買い換えていません。

 

ワコール CW-X

stabilyx

これは見たことのある方も多いのではないでしょうか。膝のブレを抑える、という機能が目に見える形でしっかり落とし込まれており、マラソンランナーの着用率は相当高い商品です。あの下着メーカーのワコールということで、一見畑違いな気がしますが、よくよく考えれば人体の構造にこれほどお詳しい会社もないわけで、実際膝痛への効果をかなり実感できました。みんなが買うのも分かります。

 

マッスルパワーSTB

STB

出ましたYONEX。高機能ウェアの市場が掘り尽くされたところに、遅ればせながら参入。今更やろ!とは思いましたが、いつもお世話になっているYONEXさまへの義理は通さねばなりません。もちろん買いました。
このSTB、コンセプトが他のものとは違います。STBの目的は着圧による体幹の強化。筋肉と骨格のバランスを最適化し、より強力な力を発揮させる、というもの。ますます大きくでました。「着るサプリ」ふうに言えば、「着る整体師」でしょうか。全然違いますね。スイマセン。
データとして背筋力が4キロアップしたとか、O脚を矯正などと書いてあります。あるおばさんは「足がいつもより開く!」などとおっしゃっていました。
で、実際使った感想です。

「あまり違いは感じない」

正直、特に自分の運動能力が上がったようには感じませんでした。さらに布が厚いので、真冬以外の着用はかなり無理があります。可動域云々の話で言うなら、基本的にバドミントンほど腕を回すスポーツは珍しいと思いますが、どうしても上半身にこういうものを着ると、実際に可動域にはほとんど干渉しなくても、感覚的にどうしてもつっぱる感じがする。これが結局ストレスになり、途中で上半身だけ脱ぐことになります。これはSTBに限ったことではなく、SKINSなど、あらゆるもので感じるのですが、STBは特にそれを顕著に感じます。布の厚さと材質、それと伸縮性があまりないのが原因でしょうか。YONEXの商品なのに、バドミントンに一番向いてない気がします。YONEXさまには申し訳ないですけど。私はメリットよりデメリットのほうを強く感じた商品ですね。

 

adidas&NIKE

 

ADI3515_400_2 Nike-Pro-Combat-Hypercool-2_0

巨大企業ですが、2つまとめます。なぜこんなに扱いがぞんざいなのか?

ダメダメだからです。

ほんとうにこの二つは良さが感じられなかった。アディダスなんかはサッカーの日本代表が使用していましたが、だからまk(自粛)
まず、アディダスは通気性がものすごく悪い。汗が篭ってベタベタになります。さらに、圧力のかけ方が私には不適正で、呼吸が苦しくなります。
逆にNIKEのほうは通気性はいいのですが、伸縮性が悪い。動きにくいったらないです。見た目はカッコいいのですが、コンプレッションウェアに関して完全に後発でありながら独自性を全く見い出せなかった印象です。デザインはカッコいいのですが。まぁ、それでいいんじゃないでしょうか。正直これが一番大事な気もします。

 

2XU

2XU

今回紹介するコンプレッションウェアのなかで、一番値段が張るのがコレ。
商品名は「2XU」と書いて、「two times you」と読みます。「あなたを2倍にする」です。界王拳です。かなり誇大広告な気もします。
この商品の特徴はなんといっても、その圧力。50デニールとか70デニールという強い着圧のため、脱ぎ着にかなりの苦労が要ります。しかし、効果もやはり実感できる部分が多く、強化版スキンズという感じ。生地が厚いぶん、劣化にも強いです。デザインもシンプルなのに存在感を主張して、気分が盛り上がります。盛り上がりに任せてマラソンを完走してみましたが、やはり本人の力がダメだと何を着てもダメだというのは痛感しました。
とはいえ、夏場の着用には全く向かないものの、姿勢保持・ブレ防止というSKINSの目指した方向性ではこちらが一歩先という感じがしました。カーフだけつけている人もよく見かけます。

 

副住職の結論:
①マラソンするならCW-X

②圧力が欲しいなら2XU

③見た目だけならadidas

※あくまで個人の感想です。