慈眼寺 副住職ブログ

キノコとの戦い①

さて、「キノコる」現象からの全アジア人の開放という壮大なテーマではじまったこの企画。
一部に熱烈な支持者がおられて、「なんなら一緒にかぶりにいく」という方まで出てきています。
おそらく長くなりそうなこのテーマ、相変わらず仏教とはかすりもしないまま、はじまります。

”いかにも”なのは嫌なんだよ、というニーズ

正直、私にはなかなか分からないのですが、「ヘルメットはカッコ悪い」と、ものすごく抵抗を感じる方々が一定数以上おられるようです。ノーヘル無灯火逆走という、即身成仏狙いとしか思えない「苦行」を敢行されている方をよく見かけます。

髪型が崩れるとか、ヘルメットがダサいとかいう理由で、やはりつけない方がおられるようです。それと「本気っぽくて嫌」という声も聞きます。
確かに、バッティングセンターでグローブつけて下手だったり、ボウリングで、手の甲になんかカバーつけてガーターだったらちょっとアレな気もします。
原チャリでフルフェイス、おかしい、そんな感覚なのでしょうか。

しかし、そんな方に安心の、「本気っぽくない」ヘルメット、あります。今日の第1回では、「本気っぽくない系」を分析してみます。

 

Bern ALLSTON

 

bern

あ、確かにコレはストリート系、といいますか、スケボーとかの人が使ってそうで、いいかもしれませんね。

bern1

なんかご機嫌なニューヨーカーっぽい気もします。知らんけど。
まぁでも、キノコかキノコじゃないかっていえば、キノコですよね。シイタケは嫌いだけど、これはトリュフだからいい、みたいな。
差別じゃないですかソレ!(笑)
とはいえ、ダボダボの私服でも着れてるだけでもすごいことなのかもしれません。重量的にはちょっと重い気もしますが、そんなのにこだわるのは自転車オタクの悪い癖ですよね。いいでしょう。脱キノコ度70点!

 

Brooks CARRERA

 

brooks carrera

レザーサドルのブルックスが放つ衝撃の折り畳みヘルメットです。
なんだかオシャレなデザインです。さすがブルックス!
そもそも、ヘルメットが普及する前は、カスクという革製のヘッドギアのようなものが主流で、いまだにそちらを愛好される方もおられるのですが、そのカスクの風合いを、現在のテクノロジーと安全基準で復活させようとした、ものらしいです。
コレ、実物も試してみたんですが・・・。

正直、難点をいくつか挙げます。

①折り畳んで、たいして小さくならない。

そうですねぇ。だいたい3割引くらいですか?たいして変わらないんですよね。

hands-on-carrera-foldable-helmet-2

②キノコではないが・・・

キノコではないんです。横の出っ張りがないから。ですが・・・

11459_12

うーん・・・、えーっと。

たしか、スターウォーズで出ておられましたっけ?

キノコではないかもしれない。だが、キノコ以外の理由で悪目立ちしすぎる。脱キノコ度は高いが、失うものが大きすぎる気がします。
たぶん翌日からあだ名が「ロボ」になっていじめられそうな予感!

 

ABUS METRONAU

 

ABUS

え?コレがヘルメット?帽子だと思ってたよ!

なーーんて思うでしょうか。コレはかえってカッコ悪い気が・・・。キノコヘルメットのカッコ悪さを避けた結果、妙にオバちゃんっぽい感じになってしまっています。「スポーティなヘルメットは苦手な方に・・・」とか書いてますけど、「コレジャナイ感」が物凄いです。ドラクエの「てつかぶと」って感じ。

metronaut-gris

自然さを狙ってかえって不自然。脱キノコ度マイナス。

 

GIRO ASPECT

 

giro aspect

見てください。このキャッチコピー。

「オシャレは頭から」

大事なことなのでもう一度言います。

「オシャレは頭から」

そのキャッチコピーがオシャレじゃないというメタな話になってますが、そのへんは置いておいて、実はこのアスペクト、モノはいいんです。
そもそもGIROのアイテムはオシャレなものが多いです。本気の性能を持ちながら、「敢えて本気っぽさは出さない」という「脱キノコ」ニーズにはぴったりの靴やらウェアやらがあって、素敵です。重量は278g。この手の「オシャレヘルメット系」では最軽量の部類です。もちろん、軽さが売りのOGKなんかに比べたら肩こりするくらい重いですが、「オシャレは我慢!」の格言に従うなら、肩こりも我慢すべきです。

敢えて問題を言うなら、「本人が思っているほど、キノコから離れていない」ということでしょうか。

単色でシンプルなのはオシャレ感を醸し出していますが、一般人から見たら十分ゴテゴテのキノコ。「俺はそのへんのダサいキノコとは違うんだぜ!」という意識がベンチレーションから漏れてくるようです。
アレ?なんか私、ひがんでますか?(笑)

 

まとめ

さて、第1回で私が言いたかったことは、結局、「自転車乗ってるのに、自転車っぽくなさ狙うとか、不自然ですよ」ということです。異論は大いに認めます(笑)

若い男の子が、トイレで「無造作ヘア」の無造作感を出すために、必死で鏡の前で整えているような、本末転倒な感じがするんですよね。

わかるんですよ。NYのメッセンジャーみたいな気取らない感じがほしいとか、レースにも出ないのにお前ら必死すぎやろというメッセージ。まぁしかし、同時にGIROのスペクトなんかは28,000円もしまして、「値段は充分必死」なわけでして、「俺必死じゃないんだよ」というメッセージを必死に送ってると言いますか、オシャレして風邪ひく感じと言いますか、おっさんとしてはついつい、

「寒かったら腹巻きしてパッチ履いたらええやないか!」

と言いたくなる、というのが、今日の結論です。

そういえば先日、夜中の新大宮の五右衛門パスタの前で、トレンチコートにガチガチのOGKのヘルメットをかぶって自転車で帰っている途中のOLの方を見ました。違和感は物凄かったけど、おもわず親指を突きたてて、「カッコイイとは、そういうことさ」と言いたくなったのを思い出しました。