奈良はYDM(やればできる町)15 出現!プリン城!
去年の夏ごろですか。
いつものジテツウコースを走っていると、慈眼寺から自転車で10分のところの道路わきの土地が更地になり、やがてある日、巨大な「何か」が現れました。
富田林の塔のような、のっぺりとした表面。形は・・・
しめじ?本しめじ?
ナニができるの?
と思っていたら、なんとあの、「大仏プリン」の新たな店舗。「プリンの森」でした。すごい。
詳しくは公式HPをどうぞ。
http://www.daibutsu-purin.com/
もともと、大仏プリン自体は、もっとウチの近所にあったんです。東向き通りを北(さびしい方)にさらにまっすぐ行った、「花芝商店街」。
そこにあったレストランが考案したプリンだったと思うんです。
奈良女子大のすぐ横といいますか、カツオ節屋さんの向かいといいますか。もうカツオ節屋さんもないんですけど。
めちゃくちゃ近所。ホームグラウンドです。それがあれよあれよという間に話題になり、販売店舗が1つ増え、2つ増え、・・・マジですか。今確認して知ったんですけど、今や6店舗!すごいですよね。
今日はその新しくできた本店にお邪魔してみました。
子供が遊べるこんなスペースも。
この戦艦の艦橋のようなところから遊んでいる子供の姿も、その気になれば確認できますねぇ。
店舗内の撮影はご遠慮ください、とのことでしたので、外観のみ。
「プリンの森」という名前ですが、プリンが森のように集まっているということなのか。
個人的には人間城、ならぬ「プリン城」という感じすらする独特な建物だなと思います。
角度によってはイタリアのホテルみたいな感じもしますし、妙に生物的な感じもし、和風では全くないですが、さりとて洋風とも言い難い。メルヘンチックと言えばいいのか、かなり個性的な建物だと思います。内部構造も曲線主体の生物的な感じがします。カタツムリの殻の中っぽいといいますか。ヤドカリかな?
建物の話はこれくらいにして。
奈良の商売をして「大仏商売」と揶揄されることが多々あります。
じっとしていてもそこそこ儲かるから頑張らない。客商売の基本が分かってない。
そういう意味です。実際そういう面は、奈良のお店一般に、ものすごく強くある気がします。とりあえず「大仏」ってつけとけばええやろ、そんな安易な商法がまかり通っている気がします。
そのせいか、奈良観光で困る点は、「お土産ものがない」ということでしょう。海はない。山でもない。盆地。特産物ナシ。
奈良と言えば・・・大仏、鹿、終わり。
お土産物といえば、まず奈良漬け。次、柿の葉寿司、次は・・・
えーと・・・鹿せんべい?
もう3位に鹿の食べ物ランクインですから。コレはあきません。(いや、本当は美味しいものもあるんですよ!イメージの話ですよ)
どの企業も必死にならない。そこそこ儲かるから。努力せずにそこそこ儲かるなら、そんでええわ。
そんな空気が奈良のダメなところであり、同時に京都のようなたくましいところとは違う、奈良のよさでもあるわけです。
しかし、そんな奈良でも、ガンガン外に出て行って、貪欲に伸びている会社もあります。
一つは何度もここで紹介している「くるみの木」グループ。そして「遊 中川」こと「中川政七商店」でしょう。もう奈良だけでなく、日本中にお店があります。すごいです。全然遊んでない。超働いてる。「遊」というより、「雄 中川」って感じ。戦国の雄。武将。
そんな二大巨頭の、次にどこがくる?その勢いを感じるのが、この「大仏プリン」ですねぇ。もう奈良は制圧してるから。次は大阪かなぁ。難波の駅中かなぁ。
先ほど言ったように、奈良には手ごろなお土産がない。あってもすぐお店が閉まる(笑)奈良の夜は早過ぎる。
駅などで手軽に買える、おいしいお土産。そう、ちょうど、「白い恋人」「東京ばな奈」のような。そういうのがなかった。
そこにハマったんだと思いますねぇ。大仏プリン。
由緒正しい大仏商法に乗りながら、販売戦略は攻め。今度の本店の作りも攻め。
その攻めが大当たりして、今日は駐車場はずっといっぱい。第2駐車場まで新設されてました。
超絶美味しいのか?
と言われれば、正直むちゃくちゃ美味しいわけではないです。すいません。でも正直に。
ただ、ちょうどよく、おいしい。素朴に美味しい。
普通においしい。
この、「普通においしい」ものがないんですよ。奈良って。
ラーメンでいう横綱みたいな、天下一品みたいな。そういうのが、なかったんです。
フランスですごい賞をとった有名なパティシエのお店だってあるし、ミシュランで星をとったお店もいっぱいある。
ただ、全国チェーン以外で、「普通においしい」店がない。
よそからきた人に買ってもらえるものがない。
そこにバチッとハマった気がします。大仏プリン。
さらに、かつて大仏プリンのオーナーが大阪でお好み焼屋さんか何かをしていたときに、そのお店でバイトで働いていたあの川越シェフが全国ネットで絶賛したそうで、それもまた大きな要因かもしれません。
ただ、たまたま売れて、TVで取り上げられて、めちゃくちゃ売れたあと、すぐ消えて行ったお店もたくさんあります。TVで取り上げられるまでに様々な苦労もあったはずですし、とりあげられたあとも、今度は大きくする苦労がおありだったと思います。色々なご苦労あっての大ブレイク。素直にすごいなぁと思います。
そのご苦労に敬意を表して、原点の地?である前の店舗のあったところにも行ってみました。
「テナント募集」がどこまでも切ない。
この場所から、あの「森」がスタートしたのかもしれないと思うと、感じるものがあります。
他の店舗もすべて撤退。逆に言えば、大仏プリンの影響の大きさを感じます。
1996年にここにできた「パスタ&ドリンク Season 」がおそらくはじまりかと思います。
05年に「大仏プリン」が販売開始されたそうです。そこから10年でこの「森」ができるわけですから、ものすごい右肩上がりです。10年ごとにどんどん拡大している。
オーナーさんは3児のママさんらしいのですが、その努力は、余人には容易に想像できないものがありますね。
やっぱり伸びてる会社見てると、答えは簡単ですね。やれば誰でもできる。でもやらない。
チャレンジしないと、努力しないと成功はないという、当たり前の答えがこの地にある気がします。
帰宅後、個人的に一番好きな「大和茶プリン(大)」を食べました。
でかい。とにかくでかい。お茶の成分がところどころ分離しているのも、逆に安心。きれいすぎるのは怖いです。
今流行りのトロットロ系ではないんです。もうちょっと固め。特に大瓶のほうは重量の関係か、固めに仕上げている気がします。あくまで気がするだけですけど。で、私はトロットロじゃなくて、固めが好きですので基本、大。そして大和茶。
このお茶の風味がいいんですよ。絶妙な濃さ。
大は800円と高いですが、量が多いですので、何日かに分けて食べる楽しみがあります。ときには大奮発して、一人で一発で「大人喰い」と言いますか、「男喰い」することもあります。仕事を頑張ったときや、奥さん子供が実家に帰省しているときなどに。
おいしいプリンを一人で独占する喜び。
それはまさに・・・
こんな気分。
なぜか普通のプリンが人気のようで、大和茶は脇に追いやられていますが、私は大和茶(大)推しですね。断然!プリンは正義!
そんなわけで、ならやま大通りの「プリンの森」。
一度行ってみてはいかがでしょう。