慈眼寺 副住職ブログ

子供は勝手に大きくなる

しばらく業務連絡が続きましたが、また副住職の個人の話もぼちぼち。

このブログの大ファンの女性が、

「正直、自転車の話題の日は、”自転車かぁ~・・・”って思うねん」

と、正直すぎる感想をおっしゃられていました。他にも自転車の内容の日はスルーしてるという人もいらっしゃいます。
逆に自転車で食いついてくださる方もおられるので、まぁそこは宇多田ヒカル的に言えば「みんなの願いは同時にはかなわない」ということになりましょうか。世の中に「お坊さん兼教師で、バドミントンと自転車が趣味」という人が他にいれば、全部喜んでもらえるのになぁ。

さて、今日はそんな食いついてもらえない話のなかでも、特に不人気で、検索する人も全くいないバドミントンの話。

コーチ(笑)をしているクラブ、今年がラストイヤーと決めているのですが、今度の大会も好成績(当社比)をおさめてくれました。
まぁ、上手い子は最初から上手いので、邪魔さえしなければいいのですが、1回戦負けばかりの子が2回戦とか、初心者で始めた子が一つ勝つというのは、何より嬉しいものです。経験者でも、入ったときはクセがひどくてとてもこれでは・・・という子もよくいるのですが、これを直すのが大変です。間違って身についたことを修正するのは、まっさらの子を教えるよりある意味大変。プライドを捨てる覚悟と素直さが必要です。

私は、高校時代に「ホントにお前中学でやってたんか?」って笑われた経験を持つ恥ずかしい人間です。こんな人間なので、どうしても下手な子を切り捨てられず、いつまでもボトムの面倒ばかり見て、中盤くらいの子がかえって相手してもらえないという指導上の欠点を抱えたまま、10年が過ぎようとしています。卒業したときに「それでもやってたんか?」って言われることだけはないように、という思いが、どうしても出てしまいます。

逆に、昔の自分にそっくりな変なクセだけがついて高校に上がってきた子には、昔の自分を見るようで、ついキツく当たってしまいます。

「今までの自分は忘れろ」

「自分を経験者だって二度と言うな」

そんなひどい言葉を投げつけたこともあるのですが、この言葉を投げつけられた二人は、初心者に混ぜられて基本からみっちりやり直しさせられても腐らずに黙々と練習して、1年で随分上手くなりました。本当に、こういうのが一番うれしいです。こういう経験がある子って、バドミントンはともかく、受験や仕事で、どんな道に進んでも大丈夫、という気がします。好きなことを、下手でも、腐らずに黙々と続けるっていうのは、ただただ上手くて才能に溢れる人間には決してできない偉大なことだと思います。

本当に、知らない間にみんなどんどん立派になっていきます。上手い子も下手な子も、真ん中くらいの子も。毎年いろいろ事件というか、もめ事は起こるのですが、なんやかやと怒ったり怒られたり、泣いたり泣かせたりしながら、気が付けば10年です。自分は全く成長しないですが、本当に子供って勝手に大きくなるなぁ。

お経をあげるのも嫌ではないのですが、着物を脱いで、体育館で短パンで若い子と走り回ってると、本当に疲れが吹っ飛びます。下手くそですが、続けてよかったです。あの子たちも、いつかそう思ってくれたらいいなって、思います。それだけです。10年やって、本当にそれだけ。私って、それだけの人間です。