奈良はYDM⑯「そば処 喜多原」
まだまだ寒い奈良です。
「慈眼寺さんの二の午までは寒い」なんていうマイナーな歳時記もありますが、近畿全体で支配的なのが「お水取りが終わるまでは寒い」。
3月14日までは油断できないぞというものです。
そんな寒い中、おいしいおそばが食べたいなと思って、行ってまいりました!
「そば処 喜多原」さんです。
http://www.soba-kitahara.com/
場所は東大寺戒壇院の階段を下りた先。
依水園を左に戒壇院の方向に進んだ水門橋のたもとの信楽のタヌキがいるところ、と言えば一番分かりやすいでしょうか。
ここです。
達筆。
信楽はさんざん自転車で行ってるのでタヌキへの既視感がすごい。
春には花も咲くのでしょうか。
水門橋のたもとということになります。
さて。
このYDMのコーナー。縁故採用はゼロ。いくら仲良しでもおいしくないところ、イマイチなところなどは一切載せません。ガチのストロングスタイル奈良のやればできる町ぶりを紹介しております。
で、今回、最初に申しあげておきますが、実はここの店長、私の小学校の同級生のお店です。
以前は店名も違ったそうですが、先代さんののれん分けということで、跡を継がれたのが小学校の1,2年生の時、毎日のように遊んでいた時期のあるお友達。実はここをやっているのが彼だということも最近、スイスで働いている友達から聞きました。スイス経由でめっちゃ家の近所の蕎麦屋さんについての情報を得るというインターナショナルというか、灯台下暗しみたいなよくわからない遠回りな経緯で知ったこのお店です。
さて。
繰り返しますが、縁故採用は一切いたしません。いくら幼馴染で、二人で部屋でダグラムのプラモを熱した釘でダメージ加工してたら僕の髪の毛が焼けたなどの思い出があるからといって、おいしくない店、普通な店は絶対に紹介したくないです。
ここは心をニュートラルに、中立的な立場で味のレポートをいたします。
食べログなどでは、そば自体は概ねかなりの高評価も、待ち時間が長いことに腹を立てた一人の方のためにちょっと☆が下がっている模様です。
注文されてからそばを作るようで、”三たての味「挽きたて」「打ちたて」「湯がきたて」をご賞味いただけます”とのこと。まぁそのこだわりのせいで、休日の昼時は混んじゃってお待たせしちゃうこともあるんでしょうなぁ。ウチも初午や二の午の昼時は混みあってお叱りを受けたこともあります。気持ちはわかります。待たせる方も、待つ方も。
で、そんな混む日の混む時間に行かなくてもいいのが地元民の自由稼業のよいところ。
薄曇りの寒い平日、開店直後にお邪魔しました。
店内の様子を撮った写真が誤操作で消えてしまったのですが、落ち着いた店内に座敷席3つくらいとテーブル3つだったかな?混んできたら大変でしょうけど、今日はわりと広く見えました。すでに先客が二組。
とりあえず、店長は奥で見えないので、あいさつはせず注文。「あつもり」というあったかいざるそばを頼みました。
おおお。卵つき!
きれいなそばですね!好みです。
このようにつゆに卵をといて食べるとのこと。
おおお。高まる。
で、感想ですが。
本当に中立的に言わせてください。幼馴染といっても、高校からはほとんど会ってないですし。いくら友達でも嘘は言えません。お坊さん、ウソつかない!
うまいですよ!これはおいしい!
いやいや、本当においしい。歯ごたえ、のど越し、実にいい!香りもいいです。
つゆは甘さよりしょうゆの塩味が最後に残るからめのつゆ。ですが卵と絡んで実にマイルド。ツルツルっとあっという間に綺麗なそばが無くなります。
今回は大盛りを頼まず、並にしました。お蕎麦ってたいてい足りないんですけど、蕎麦湯まで飲むとちょうどいいんですよね。で、案の定ちょうどよかったです。でも今度は大盛りにしよっと!
いやーホントに宣伝じゃないですよ。あんまり言うと嘘くさいですか?
でも本当に美味しかったんですよ。近所でも幼馴染でもおススメしてないお店ばっかりですよ。というより縁のないお店ばかり紹介してる中に、たまたま幼馴染の店があっただけ。おいしい店がたまたま幼馴染の店だった、ということです。仏に誓っておいしいです。
食べ終わったあと、
「店主を呼べ」
と海原雄山みたいに言いたいところですが、気が弱いのでお会計のときにこっちから店員さんに「○○くん、手が空いてたら・・・」と声をかけて久々の再会。とにかくすごく美味しかった。また来ます!と告げてそそくさと帰りました。そうしないとこうしてる間に待たされた客が食べログの☆減らしたら悪いんで。
ひさびさに会った幼馴染は昔と面影が全然変わっていませんでした。
二人で牛乳キャップを集めてメンコしたり、今の奈良県立大学のグラウンドでキャッチボールしたりしたときと同じ。足が速くて運動がなんでも得意で、カッコいい子でしたが、今は腕のいいそば職人。やっぱコイツはカッコいいなぁ!
ところで、お店の外には来た時も帰るときもこの自転車が。
店長もなかなか自転車乗りそうですな(笑)
さて、このあたりは観光スポットの裏庭ともいうべき通のゾーン。
戒壇院はもとより、入江泰吉の旧邸もすぐ隣りです。
まぁでもいわゆる五重塔!大仏!阿修羅!みたいなベタな観光地からは少し離れたひっそりしたところ。この付近の家はなんか表札もとんでもなく凝ってる字で「読めねぇよ」と突っ込みたくなる感じです。書道3段以上の人しか郵便物を配達できないのではないか。
そんなわけでこのへんは普段はとんでもなく静かで、子供のころは夏休みここを通って仁王門の横にあった春日野プールで泳いでました。歩いて散策するといいところです。しかし最近はこのあたりの観光客の多さはかつてないほどですから、このへんあたりまで観光客が押し寄せるようですねぇ。
とにかく、ひいき目なしに美味しいお蕎麦が食べられますので、このへんを散策されるときは是非!週末混雑しているときは、「美味しいお蕎麦が食べられるんだから」と、広いお心で、そこだけは私のひいき目で待っていただくことをお願いします。ほんまにええ奴なんやで!