三つ子の魂
今日は中学の時ダブルスを組んでいた相方が厄除けに来てくれました。
あの頃は不真面目な部員だったので、コート内よりコート外でつるむことの方が遥かに多く、毎日のように自転車に二人乗りして、遊んでました。いつも自転車を漕ぐのは私。彼は後ろに乗せてもらってるくせに、ずっと首や腹をくすぐって邪魔ばかりしてきました。
私と相方は子供なりに中2病の真っ最中で、精神状態は最悪。荒れた学校で心と身体を守っているうちに自分たちまで荒みきっていました。ただ、個人的には彼と一緒にいると、「コイツよりは俺の方がいい奴だな」と思えるので、彼と一緒にいると気が楽でした。そこが彼の一番好きなところです。彼は間違いなく悪なのですが、何というか、凄味のある悪と言いますか、下らない犯罪などに手を染めない、政治家向きの悪でしたので、そこも子供ながら尊敬していました。あ、練習は全然しませんでした。特に外練はサボりまくりで、副部長だけが真面目に走ってました。あ、そうだ。部長は僕でした。
結果、副部長だけが高校ですごく強くなって近畿大会に出場するわ、現役で医大に受かるわと、やっぱり真面目な奴が勝つな!そんな日本てまともな国だな!と思いますね。
で、久しぶりに会った極悪人の相方は、一流企業でバッチリ出世していました。本当に悪い奴はのさばりますねぇ。ですが、家庭のなかでは本当にいいパパ。穏やかで、あんなに毎日まわりの人間に対して呪詛の言葉を吐いていたのと同じ口で、自分の息子にやさしい言葉をかけていました。きっと悪徳政治家も家ではいいパパなんだろうなぁ。
そんなわけで、相方の悪口大会のようになてしまいましたが、実は私、悪口は全然言ってないんです。いや、ホント。
悪いことを悪いことだと思ってやる人間は、悪い人間ではない。しかも彼は愚かなことは絶対にしない。
そこだけは小学校5年で初めてグラウンドで出会った瞬間、
「ケツ風魔伝!」
と叫びながらヒップアタックをしてきたファーストインパクトの頃から彼は何も変わってないです。
そして縄跳びをエンドレスに飛べと言われて、全校生徒のなか最後まで跳び続けて、休憩時間まで跳ぶので結局みんなにブーブー言われても黙々と跳びつづけた副部長も、相変わらず空気を読まずに「正しいこと」だけをやり続けています。「健康優良バカ」と彼の「正しさ」を横で笑う底意地の悪い奴らが僕らでしたが、三人が仲が悪いことは全くなく、そういうバランスがちょうどよくって、僕らはあの部が好きでした。副部長も突っ込んでほしかったんじゃないかなぁ。知らんけど(笑)
思えば小中一緒だった連中はキャラが濃く、いまだに何らかの形で付き合いというか腐れ縁が続いています。
今思えば皆それぞれあの中学では生きにくそうで、本来の自分を押し殺したり、妙に頑張らされたり、変にひねくれたりして、大変そうでした。学校のせいだけじゃなく、そういう年頃だったんでしょうけど。
厄年になって出会うみんなは本当に角が取れて、やりたいこととやらなきゃいけないことをやり、やりたくないことはなるべくしないようにしていて、会うと心地がいいです。こんな気持ちで中学を過ごせたらよかったのにと思ったり、あの頃があるから、今があるのかなと思ったり。
今日はとりとめもないことを書きましたが、付き合いの長い友達と会うのは気持ちのいいものです。
今何してるとか、そんなことを聞くでもなく、「おう久しぶり」と言いながら、お互いの子供がまわりで走り回っていました。なんと子供も同い年。性別は違いますが、ダブルス組んでくれたら面白いですねぇ。