「こころ旅」
お寺で留守番とかしてると、つい見ちゃうんですよね。「こころ旅」。
アレのおかげで、60代のおじいさん世代にトマジーニのシンテシの認知度がとんでもなく高まっていて、
「ロードバイク乗ってるの?火野正平のやつ?あれいいなぁ!幾らくらいするの?」
とか、目を輝かせて言われたりします。
フレームで40万弱、コンポはアテナとかどうせ言われるし、ホイールを手組みで安く抑えても・・・カムシンにしとくか?などいろいろ考えても、
「60万ッスね」
と答えておじいさんたちを落胆させるということを何度も繰り返しております。
で、「こころ旅」。
確かに突っ込みどころは多い。
全然走ってないやん!とか、スタッフに重い荷物持たせて10㎞で9回休憩とか年齢考えてもどうやねんとか、トマジーニ泣くで!とか、色々あるんですよ。でもね。
コレ、新城幸也があっという間にゴールしたら番組成り立たないわけです。自転車も売れないわけです。
そこまで自転車好きでもないであろうおじいちゃんが気楽にフラペで、ラフなのに妙にこなれたオシャレなカッコで長々と輪行してちょぴっと走る。そして地域のご飯を食べる。いい景色を見る。(帰り道は放送しない!)これは自転車に興味がなかったミドルにものすごい訴求力!
シンテシだって特にタイアップとか全然してないらしい。勝手に正平がこれいいなって選んだだけらしい。だからアクションスポーツもナチュラルに宣伝にはなりまくってるけど、「あの”こころ旅”のトマジーニでございます!」ってのはできない。歯がゆい。歯がゆさもまた良い。
なによりやっぱり火野正平がイイ!
画面がもつ!もつわぁ。
コレ、安田団長とかだともたないもん。逆に鶴見慎吾でも無理。ストイック過ぎる。まぶしすぎる。もはやアスリート。自分との落差で凹む。おまけに下町に似合わない。きれいすぎる。
その点、正平はどんな景色にも合う。渋い顔で何をやっても見ていられる。関西弁が柔らかい。自転車的にはヘタレなのもちょうどいい。昔見たドラマの役そのままの、女湯を覗いても「やだもう!」で済ませられてしまう感じのキャラで、道中のおばさんたちとバッチリスキンシップ。もう完璧。クロモリに乗ったジゴロ。真ん中で割れる老眼鏡も最高です。繰り返しになりますが、実に男前。あの人、ずっと男前。いいわぁ、あの脱力感。どんな景色にも映えるんだよなぁ。
そんなわけで、おっさんが「ゼエゼエ」言ってのんびり走る姿を、何するでもなく、ぼ~っと見ながら、せんべいでも食べてテレビ見るのが実に贅沢な時間であります。