S・I・G・A!
けっこう前になりますが、先日、住職にお休みを頂き、あるところに娘を水泳に連れていきました。
おおお!なんという美しい透明な水!マリンブルー&白い砂浜!潮風を♪頬に受け♪裸足~で~駆けてく~♪
違います。海じゃないです。
琵琶湖です。湖なんです。近江舞子のビーチ。厳密には砂ではなく、細かい砂利の浜です。
我々海なし県の仲間、滋賀県の最大の観光資源。琵琶湖です。奈良でいう大仏です。(大仏は滋賀県産なんですけど。)
我々関西の自転車乗りほど滋賀県の魅力を知っている人は少ないかもしれません。通常の滋賀県民より詳しいのではないでしょうか。暇さえあれば信楽に行き、甲賀地方にも出没し、琵琶湖を回り、付近で食事をしています。私は出たことないですが、伊吹山ヒルクライムもあります。さらに私は仏像巡りで奥琵琶湖を巡っております。なんといってもこの脚で動き回っておりますので、もうリアリティが違います。「木之本から余呉越えするときは25㎞自動販売機がないから絶対木之本のセブンイレブンで買っておけ」とか先達に教えてもらって実際に走って「ホンマにないわ!」なんて、もう実感が籠っています。
私の奥さんは偉大なる海アリ県、三重県生まれ。三重県はいいですよ。食べ物めちゃくちゃおいしいです。奈良の5倍くらい美味しいものがあります。そんな奥さんは琵琶湖のすごさを全く知らなかったので、少しずつ啓蒙活動を続けてきまして、今度はサプライズでこの美しいビーチを紹介しました。小さいとはいえ波があることに驚いていました。あるんですよ。波。強風の日は道路走っててもしぶきがかかりますから。瀬戸内海より荒れますから。
娘は去年の大荒れの浜詰海岸で完全に「海怖い」を刷り込まれており、行き道でずっと、
「帰る。帰る。ウチに帰る。メルちゃんもメロンパンナちゃんも帰るって言ってる。」
と、抱っこしている人形二体まで反対派に加えて徹底抗戦の構え。ところが水につけると娘は超ご機嫌。想像以上に浮き輪で喜び、いつもより大胆に遊んでおりました。最終的には唇を紫にして震えながら、
「全然寒くない。まだ遊ぶ。」
という不退転の決意。子供あるあるですよね。僕もそうやって昔佐保小のプールで震えてました。奥さんは「海と違ってべとつかないし、塩辛くないし、めっちゃお気軽でええやん!」と喜んでらっしゃいました。まぁ、その面倒くささこそが海の魅力なんだということを、小さい頃から海辺で育ったために「え?潮干狩りにお金払うの?」「奈良のスーパーには、真珠の貝柱ないの?」などと潮風たっぷりの発言をする奥さんには分からないのかもしれません。奈良県民の海への執着はすさまじく、貪・瞋・癡・海!と言いたいほど潮の香りでテンションが上がりますからね。
とはいえ、和歌山、伊勢、京丹後、福井の海まで行こうとすると、どうしても2時間は見ておかねばならないところ、1時間半程度で塩辛くない、穏やかな水泳場に行ける琵琶湖はものすごく魅力的。滋賀県には他にも彦根城や竜王アウトレットもあります。竜王町なんて、昔「リュウ!オウ!オウ!」とか叫んでた竜王スケートのイメージとはガラッと変わっています。
唯一の難点はちょっと道が混みやすいところですかねぇ?やっぱりど真ん中にどでかい水があって、その周りに町を建て込んで、外側はひたすら山、という地形ですから、琵琶湖のまわりはどうしてもゴチャゴチャしています。湖西道路が2車線あればなぁ。まぁでも、観光地はどこもそんなものかもしれません。
個人的には、もうちょっと食べ物の名物が充実していればなぁという気がしています。すでに「たねや」&「クラブハリエ」という看板はあるのですが、「近江ちゃんぽん」は、ちゃんぽん自体どうしても長崎のモノというイメージがあり・・・。近江牛はもちろん有名ではあるのですが、「高いお肉」という漠然としたイメージしかないのでイマイチ庶民には縁遠いです。焼鯖素麺も一軒だけで広がりはないですし・・・。やはり「うどん県」「ギョウザ県」的なアイデンティティーがあって、色々食べ比べができる食品が欲しいですよね。「鮒ずし県」というのはちょっとアレかなぁと思うし。いや、「奈良漬」しかない奈良なんてもっと悲惨なんで、奈良県民に助けてもらおうなんて、滋賀の方は誰も望んでないと思いますが。
でもなんかほっとけないんですよ。滋賀県。奈良県民が田舎とバカにされると、「難波に40分以内でつく」という自己否定的な反論をするように、「瀬田なんて京都みたいなもん」というベッドタウン関係があるんですよね。県民が京大大好きなところとかもそっくりですし。それでいて「大阪・京都は遊びに行くところ、住むのはちょっと・・・」とか言い出すのもそっくり。ちょっとネガティブな郷土愛(笑)
だから、「滋賀県を改名しよう」とか言い出さないで、滋賀県の魅力をもっと伝えてほしいんですよね。やればできる県だと思うんですよ。奈良よりずっと。「三方よし」の近江商人に大仏商売では逆立ちしても勝てませんし。
そうそう、自転車友達から耳より情報も入手しました。
近江舞子から3キロ、たった一駅北に行った「北小松」という駅の真ん前に、「ふぁみりーれすとらん ひろせ寿し正」というお店があるそうです。
http://tabelog.com/shiga/A2501/A250101/25004504/
この海なし県で海鮮?とビックリしましたが、こちらの刺身定食がすごいそうです。
え?コレ?琵琶湖で食べられるクオリティなの?とビックリするような厚切りの新鮮そうなお刺身!ちなみに左上のお椀は毛ガニ、真ん中のお豆腐のようなものは白子だそうです。これで2000円ほどらしいですが、めちゃくちゃ豪華ですよね。
ちょうどビワイチコースの途中にありますし、お腹の空かれた方は是非立ち寄られたらいかがでしょうか。まぁ、僕はこのへん走ってたときは、ソイジョイばっかり食べて半泣きでしたけど。