山陰旅②その2 「湯はSHOCK!」
雨のなか出雲大社を後にしまして、この日の宿泊は温泉津温泉。島根はよこにすごく大きいのですが、さらに東に1時間ほど移動します。
が、このままただ温泉に行くのはつまらないです。そもそも私も奥さんもお風呂は長く入ってられないタイプ。娘は熱いお風呂無理。じゃあ、なぜ温泉に?実は、温泉津温泉のある大田市には奥さんが喜ぶスポットがあります。私は貧乏性なのか、旅に出たら、家族全員がそれぞれ何か楽しめる要素がないとダメだと思ってしまいます。娘は海。私はMOTO。奥さんは?
そういうわけで、奥さん好みの店がないか事前に徹底リサーチした結果、温泉津に泊まって大田市でショッピングが最も合理的との結論に達し、奥さんにはサプライズでいきなりそのお店に連れていくことにしました。やるやん副住職。
そしてお世辞にも都会とは言えない大田市の郊外に、奥さんをお連れします。
「どこいくの?ねぇどこいくの?」と聞く奥さんを完全無視して連れて行った先が・・・
ここです。stitch craftさん。
http://www.st-craft.com/
奥さんの趣味っぽいお店はないかなとネットで探しまくって、偶然見つけたこのお店。ここ、島根の大田市の三瓶ですよ?読み方は「さんべ」!本当に申し訳ないですけど、「なぜこんな場所に!?」と思うような場所に、都会でも滅多に見ないほどおしゃれなお店が突如として現れます。実に奥さん好みな服がズラリ。奥さん、いきなりテンション上がります。
「え?なんで?え?え?」
喜んだかと思いきや、奥さん、いきなりキレます。
「なんで先に言ってくれへんの!」
「・・・・?」
「こんなオシャレなお店くるんやったら、もっとちゃんとした服着てきたのに!私今日、ジーユーやんか!!!」
知らんがな。
ちょっと予想外に文句は言われましたが、奥さん大喜びの店内。
正直、自分には何がいいのか全く分かりませんが、「とりあえず奥さんはこういうぶかぶかした布のところに連れていけば喜ぶ」という私の大ざっぱな勘が当たった模様です。大喜びのわりには靴下とブローチだけというささやかなお買い物をしたところ、「遠方から来てもらったから」とハンカチのおまけ!なんつーいい人!こんな店が近所にあればなぁ、と仮定法の文法を思い出しながらオシャレ空間をあとにしました。
ちなみにこのお店には大阪のtripさんというお店が関わってらっしゃるらしく、今度は大阪でそこへ行く楽しみもできました。
http://trip-inc.com/
次に向かうは石見銀山。かつてはポトシ銀山と並ぶとんでもない量の銀を産出し、江戸時代初頭にほぼ掘り尽くされたシルバーラッシュの舞台です。みなさんご存じ世界遺産。しかしここにも、奥さん好みのお店があるのであります。
有名な群言堂。もう、そこらじゅうに支店がありますが、行ったことはありません。最初に訪れるのが本店とか素敵。
今回ちょっとカメラの盗り方ミスで、斜めに撮れているものが多いですが、ご勘弁を。
洞窟の中のような、迷路のような屋敷内に、おしゃれな雑貨や服などがずらり。カフェもあります。
こんなところを覗くと・・・
お庭が覗けたり。
カフェからはお庭が見えます。
洞窟の中にお庭。面白い。
トイレも面白いです。
この洗面台、鉱山っぽいッスよねぇ。
服はやや年配向けでした。お母さんとか来たら喜んだかも。
こんな石見銀山ですが、実に私の愛車としっくりきます。
群言堂前に堂々と駐輪。自転車マークがあったので、たぶんここが正しい場所。サイクルハンガーあったら興ざめですしね。
いやぁ、なんか町並みにしっくりきます。銀じゃないけど。
こうして石見を満喫したあと、数十分移動して、ようやく到着したのが温泉津温泉。
私の写真などより、「温泉津温泉」で画像検索すると、すごくいい感じの写真が見れます。この日は見られませんでしたが、週末には夜神楽も見られます。1300年前から温泉地だったと言いますから、平城京のころから!ここも世界遺産の一部!寅さんも撮影されたそうです。(「寅次郎恋やつれ」)
その効能は「原爆症にも効く」とのことで、ちょっとソレすごすぎやろ!
中でも有名なのは「薬師湯」。そのすごさを見よ!
見よ!この湯の花がすごすぎて鍾乳洞みたいになったお風呂を!
火山の噴火口か!
なんなんだコレは!チーズか?溶けたチーズ?
ギザギザしたとこ、子供がこけたら危ないで!
実際に入ると「熱い!」と有名なお湯は思ったほどは熱くはありませんでしたが、そらもう濃い濃い!なんか、温泉と言うより工業用水に浸されて錆びていくような気分。めちゃくちゃ濃くて、鉄くさい濁った水。舐めると完全に錆びの味と塩味。ただし、日本温泉協会が唯一認めた「泉質オール5」の看板は伊達ではなく、寝るころにはお肌スベスベ!おっさんがスベスベしても仕方ないけど、とにかく毎日は入りたくないけど、お肌にはやたらいいのは私でも実感できるとんでもないお湯でした。こんなお風呂が350円!?すげぇぞ。温泉津!
二階にはこんなモダンな休憩所。昭和レトロ。
帰りはこんな昔にはどこにでもあったはずの町並みをカランコロンと下駄の音を響かせながら、浴衣姿で宿に帰る副住職でした。いいお湯でした!