妖怪サドル好き
私、サドルが好きなんです。
少し前にこんなニュースがあったので、誤解されては困るのですが・・・
いやぁ。このニュースを見たときは焦りました。
煩悩の数は108と聞いていましたが、「108ではきかないかもしれないな・・・」と真剣に考え込んでしまいました。
さて、気を取り直して。
私、サドルが好きなんです。
サドル自体が好きなんです。誰が座ってたかとかは関係ないのです。いや、そこはハッキリさせとかないとね。
とくにsella San Marcoのちょっとクラシックなサドルが大好きで、意味もなくたくさん買い集めたいほどに。というより、たぶん日本初のサドル専門店をお寺の境内にオープンすることを、ちょっと真剣に考えたことがあるほどにサドルが好きです。
基本的にサドルは自転車パーツの中で一番気軽に変更できる部分。
で、ありながら、停まっている状態では一番目立つ、ある意味で自転車の「顔」のような部分。
と、同時に、いくら見た目が良くても、実際に乗ると、一番相性が問われる部分。
お尻に合わないサドルに座ると、とんでもない痛みがでます。下手すると体を悪くするくらい。
自転車乗りのあいだで、俗に「サドル探しの旅」という言葉があるのもそのせいです。相性のいいサドルを探すのは至難の業。これはダメ、これもダメと家にサドルばかり溜まっていく・・・なんてことは自転車あるあるだと言われます。
したがってサドルを買う前には、とにかく実際に座りたい。でもなかなか試せる機会がない。そこでサドル屋さん!と考えたわけですが、まぁ在庫を死ぬほど抱えて、ネットで買われてハイおしまいという感じなので、「こらアカン」と思って諦めました。
では肝心の私の「サドル探しの旅」はというと、なんとこれが人とは違う意味での「旅」。私のお尻、とんでもなく鈍感で、何に座っても「だいたい一緒」としか思わない!フルカーボンの、「ただのプラスティックの板やん!」というものでも100㎞乗れますし、サンマルコでもフィジークでもセライタリアでも穴あきでもなんでもOK。逆にママチャリ用の柔らかいサドルはすぐにお尻が痛くなります。
そんな尻ならサドル探さなくてもええやないかというと、これが話が逆。なんでもいけるから気分次第であれもいいなこれもいいなと目移りしてしまい、色々気になって仕方ない。さきほど「ちょっとクラシック」が好みと言いましたが、愛車がまたクラシック風味でもレーシーなのでも何でも似合う実に無個性な車体ですので、サドルで遊ぶのが楽しくてしかたない。これが私の「サドル探しの旅」を持続させる原因となっています。
クラシックが好み、と言いましても、古典趣味の鉄板であるブルックスのレザーサドルには今まで全然興味がありませんでした。が、最近気になって気になって、夢にまで見てしまうサドルを発見してしまいました。
ジルベルソー(ジルベルトゥー)のサドルです。
詳しくは↑をどうぞ。
ブルックスよりずっと洗練されたスマートな形状。なめし革のうつくしい光沢。さすがおフランス!ボンジュール!しかも「ガリビエ」というモデルはチタンレールで想像より軽量!六角レンチで革を張りなおしたりできるのもプチカスタムっぽくていいです。ほしい!けど、高い!
さらにもう一つの問題が。
連日ジルベルソーに関する情報をネット収集しておりますと、軽量化に一役買っていると思われる、レザーを支える樹脂製の台座の耐久性にやや問題があり、特に荷重がかかる前のネジのネジ穴が広がって、革が緩んでしまう、との情報もアリ。長く使い込んで味を出すのがキモのレザーサドルでこれは本末転倒。おまけに取り扱い店舗が極端に少なく、お店経由でメーカー修理などしにくい状態。もう一つ言えば、個体差の大きいレザーという材質ゆえ、できれば実物を見て選びたいニーズにも、やはり先ほどの実店舗取り扱いの少なさという問題が立ちはだかります。
欲しい。試したい。だが、高い。
そんな悩みで悶々としていた私。先日ついに思い切って!
清水の舞台から飛び降りる覚悟で!
買いましたッ!
コレだけを!
・・・何コレ?
と、お思いでしょう。
これこそ、メイドインおフランス、ジルベルソーの・・・
バーエンドキャップ!
バーエンドキャップとは、ロードバイクのハンドルの一番先端の部分に差し込むキャップ。表面にぐるぐる巻いているバーテープを最後に留める役割を担っています。安いもので¥50円であります。(ワインのコルクやお酒の蓋で代用している方もおられます)
これがジルベルソーだとレザーで作られ、こんなに優雅!トレヴィアーン!
バーテープがいま黒いので、ブラックと悩んだのですが、存在感に負けてコルク柄にしました。¥1800なり。
最安値の50円×2のものと比べると18倍!高い!
ですがコレ、六角レンチでピッタリ締めるタイプなので落ちる心配もありません。実はこのバーエンドキャップっていう代物がよく落ちるんです!なんでこんなによく落ちるんだっていうくらい。帰宅したら無くなってるってのが多いです。高いけどずっとつけられるのは安心。
そんなわけで、ここ最近ちょくちょく模様替えをした愛車はこうなっています。
ちょっとだけエンドキャップがでかいのは気になりますが、まぁよしとします。
6年使っているゾンダはチューブレスだったのですが、初期ロットゆえ?ハッチンソンのシーラント剤でリム内部が腐食している部分があり、気密性が低下してきています。他社製のシーラント剤にかえて、リム内側にリムテープを貼って対応してきましたが、思い切ってクリンチャーホイールとして生まれ変わりました。2wayの強みではあります。その際タイヤも黄色にかえて明るい雰囲気になっております。タイヤは初のミシュラン。
サドルの話を散々したので、サドルにも言及しますと、サンマルコ、ロールスのリノレザーがwiggleのセールでアホほど安かったので購入。鈍色だけの愛車に後ろのゴールドのプレートが差し色でいいかなと。
座り心地ですが、なんでもOKの私にも少しだけ慣れるのに時間がかかりました。でもポジションをいじったら平気になり、先日の大台ケ原でも問題なく180㎞無事にお尻を乗せてくれました。重量的にはかなり難があるのと、サドルの厚みがあるのでシートポストの突き出しが少なくなること以外は何の問題もありません。
本当にサンマルコはリーガルでもロールスでも、パンチングレザーやスエードや、リノレザーにオリーブ色のサドルなど、実にいいところを突いてきます。全部欲しいくらい。なんでもOKなお尻と言いましたが、個人的にはゾンコランが総合的に一番好きなサドルなのです。しかし2016年はカタログ落ちしておりまして、是非2017年には復活してほしい!座り心地では、前まで使っていたフィジークのクーヴァが万人受けするめちゃくちゃいいサドルだと思います。さすがに300㎞のときはお尻痛かったですけど。
クロスバイクの方なんかがよく、「お尻が痛いので柔らかいカバーをつけたい」などとおっしゃいます。私も実際にカバーを購入してつけたこともあります。でも、柔らかい方が長距離ではかえって痛い。ズレてしまって痛いんです。根本的にはやはり、多少痛くても長距離を乗りこなし、お尻の筋肉を鍛えて、サドルのポジションを調整すればだいたいの問題は解決です。そうすればレーパンすら必要なくなります。大前提として、自分にあったジオメトリの自転車に乗っていてこそ、の話ではありますが。
グダグダいう前に黙って乗れ。男は黙ってサッポロビール!
いつの時代もやることやったらあとは習うより慣れろ、ですね。