奈良~小浜~敦賀集団ライド
先日、ロングライドに出ていました。
いつもは1人でとぼとぼロングなのですが、今回はなんと7人の集団走行!敦賀までいってサンダーバードで輪行で帰ります。
しかも今回集まったのはいずれも200㎞以上のライドは軽くこなすラガッツィ内の元気者ばかり。何より先頭交代の手順を間違えたらいかんので、前日しっかり復習して臨みました。
早朝冷え込んで10度を下回った気温に、ウェアをどうするか悩みましたが、ジャケットはまだ早いし、インナーも温いのは脱ぎにくいし、色々試行錯誤した結果、
・長袖ジャージ
・インナーはcraftの夏物
・ただしお腹にモンベルの腹巻き&腕にはアームウォーマー
・ビブは普通の脚を出すタイプ
・そこにレッグウォーマー
・そしてジレorウインドブレーカー
にしました。ジレというのはいわゆるチョッキタイプの風よけ。これで寒いようならウインドブレーカーに変える。それでも寒いようならジレの上にウインドブレーカーという考え。もちろんグローブは指をすべて覆う長いもの。イントロのものを愛用しています。
荷物は先日紹介したアピデュラのサドルバッグに輪行バッグ、軍手を入れました。向こうでお風呂に入るので、着替えが普通いるのですが、今回猛者揃いのメンツで、少しでも荷物を軽量化したくて、お風呂のあともジャージで帰ることにしました。他の人は靴も履き替えて帰るので替えの靴まで用意してますが私はSPDなのでこのまま帰ります。そうすると荷物らしい荷物もないもんですね。
さて朝5時に起きて6時に出発、7時にラガッツィ集合して、メンバーが揃いました。なかにはけいはんなクリテで好成績をおさめた20代のOくんも。
途中で合流する人を増やしながら山城大橋→307号→猿丸峠→立木観音と進みます。瀬田の唐橋で最後に「ビワ2」の変態Sさんが合流して7人勢ぞろいであります。
ここからは4-3に分かれて先頭交代しながら琵琶湖東岸を北上していきます。余裕がないので写真は一切ナシ。速くて元気なOくんに前を積極的に引いてもらい、極楽の集団走行。あっという間に琵琶湖大橋について、琵琶湖を渡り、また北上。夏に泳いだ近江舞子にもすぐつきました。
近江白浜を越えて安曇川あたりにくると、春の300㎞ライドの一番しんどかったあたりを通ります。なんか安曇川付近苦手です。単調で疲れます。今津でようやくビワイチコースから離れ、若狭街道を抜けて一気に小浜へ。ここでようやく食事。
いつもはコンビニで粗食のラガッツィですが、今日は珍しく海鮮丼。
「かねまつ」という人気店でした。拙僧だけここで「私は精進料理を・・・」とか言うのも空気がアレなので、仕方なく、涙を飲んで俗世間の波に流されてみます。ううう、うまい!けしからん!
みなさん大盛なのですが、店長と私は並。大盛だとちょっとあときついかなと。
これがのちに大きく響くとは…
いい天気で、ええスピードで福井まできて、個人的にはもう小浜で電車乗って帰りたい気持ち70%だったのですが、今回はメンツがそれを許してくれず、すぐに出発。小浜から敦賀に向かう・・・途中で、今回のメインイベントが待っていました。
けいはんな好成績、若手有望株のOくんが「坂くれー坂ー!登らせろー」とかちょっと大丈夫かしらこの子?と思うような発言を日々するため、ここでとんでもないコースが設定されていました。
エンゼルラインヒルクライムです。
小浜湾の内外海半島のにある久須夜ヶ岳頂上(619m)へ通じる総延長10.5kmのドライブウェイが無料開放されており、登りたい放題であります。このエンゼルライン、斜度はそこまででもないのですが、今回のレイアウトが最悪。120㎞以上トレインを組んで休みなく走った後、海鮮丼をしこたま食べてすぐにヒルクライム大会。アホの集まりですか?
そんな疑問も口に出せないまま、ヒルクライムスタート。特に何にも指示はありませんが、峠を登ったら先頭交代もクソもなく、年齢立場関係なくヨーイドンで戦闘開始が自転車乗りであります。そういうもんであります。もはや本能であります。
しかし序盤、キツイキツイ!何よりイカが消化できてない!
海の景色はキレイなのに、わき目もふらずにおっさんが汗をかきながら山をひたすら登る。お腹には海鮮丼のイカ。海は死にますか。山は死にますか。イカはどうですか。(またこれか)
序盤はやはり圧倒的にOくんが速い。とにかく速い。さらに続くOさん。京都~鳥取往復を事もなげにやりきる変態50代。恐ろしいことに孫あり!このコンビがどんどんけん引していきます。そこに店長と、私。私はイカに引きずられてどんどん後退・・・。店長は持ちこたえて先頭集団に追随。
アカン。このままではアカン・・・。でも横っ腹痛い・・・。
そんなときに突然私の口から爆音。ゲップ!失礼!でもゲップで超楽になった!やった!イカを制した!
ここから一気に元気になった私。ダンシングでぐんぐん集団に戻ります。知らん間に店長がトップ。コーナー一つ分前にいます。さすが。
店長はこの半年、アホみたいにトレーニングに励み、肉体改造してきました。去年、寒霞渓でOくんにぶっちぎられ、30分タイムを空けられたのがすごく悔しかったそうです。Oくんに勝つためだけに半年頑張ってきた模様。お客さんに勝つために必死な店長ってどうなんだ、ということはさて置き、その意気や良し!ただしこのままいかれたら絶対勝てない。
もう一度腰をあげてダンシングで一気に距離をつめます。
本来はもっと怪物じみた二人ですが、OさんとOくんは今回一つの誤算が。そう、大盛り食べてたんです。消化できてない!とくにOくんは先頭でけん引してもらった時間も長く、今回は荷物も多い。体重がすごく軽いぶん荷物の荷重がモロに響きます。普段は大正池22分台の実力者。実力的にもポテンシャル的にも手に負えませんが、今日はちょっと本来の強さが出ていない。そこは弱み位につけこむようで申し訳ないのですが、便乗する形で先行、店長を追いました。
すぐに店長に追いつき、横に並びます。
店長がおもむろにこっちを見て、ビックリして一言。
「え!?○○さん??」
半年間、Oくんに勝つためだけに必死のトレーニング。いよいよ雌雄を決するそのときに、上がってきたのが同世代のお坊さん!ガッカリ!(笑)
とはいえ、20代のOくんがいつ回復して上がってくるか分からない。店長にもせっかくだから勝ちたい。そのまま一進一退のまま二人で進みました。しかし・・・おかしい。話では8キロの道のりと聞いていたが・・・。
唯一ここを走ったことのある店長は「たぶん、次のコーナー最後ちゃうかな?」と毎回言うので、最後のもがきにそなえて気を引き締めるのですが、
「アレ?まだやな」→ガクン!
「次やな。コレやな!」
「アレ?まだや」→ガクン!
この繰り返しを5回くらいされて、心折れかけ5秒前。いよいよ最終盤!というところで今度は車が後ろから!
「危ないから、一列になろう」
と店長が賢明な判断。さすが!と思ってちょっと私が下がり、店長が前に。
車が通り過ぎると店長おもむろにそのままダンシング!えっ!さっきのちょっと!車に乗じて先行してダンシングって!これ、どこのバルベルデ?そもそも店長の悲願である打倒Oくんはほぼ確実。この流れだと普通は最後にお客さんに華もたせるつもりなんだろうな・・・なんて心のどこかで思ってました。
甘かった・・・(笑)
そのままダンシングする店長をすぐ追撃!待てーとダンシングで踏んでいくと、そこで店長からいきなり!
ブッ!
まさかの大放屁!
虎丸!男塾の虎丸龍次のアレ!イカの消化が今来たのかーーー!
おまけにこのおっさん
「あ。屁のぶん前に進んだッ!」
とか言うんです。小学校3年生か!給食のあとのドッジボールと筋肉団子のことしか考えてない頭の発想!最悪!だから女性客が寄り付かないんだバカー!
この羅我津威流奥義大放屁(民明書房刊『自転車操業バカ一代』)によって最後の心が折られた私は、そのまま後退して2位ゴール。その後、大盛りを食べたメンツが続々ゴール。結局、今回のヒルクラ、海鮮丼の消化勝負やないですか!
そして足がつって遅れたメンバーに最後まで付き添って、ビワ2のSさんが上がってきました。どう見てもあなたが一番立派。客にこの役割をさせて一番にゴールして喜んでる店長なんて、この世に存在するはずがないッス。
とりあえず、全然エンゼルじゃないエンゼルロードの頂上の景色は絶景。
どちらを向いても海であります。達成感あるぜー。
ちなみに、輪行パッキング時やチェーン脱落時に手が汚れないようにと持ってきた軍手は、こんな日に指ぬきグローブでやってきた無計画なUさんに下りの防寒用に使われて大活躍でした。
登るのは大変ですが、下るのはあっという間。しかしこのライドの悪魔的なのは、この峠を下りてから、ゴールはさらに50㎞以上先ということ。どんどん下がる福井の気温。日は完全に暮れる中、まだ峠が少しあったりして、悲惨な状態。足がつる者続出のなか、なんとか敦賀にゴール。
もうイヤ。もう自転車イヤ。
そう思いながら風呂に入って休む間もなく輪行の準備。ここで久しぶりの輪行でパッキング手順すっかり忘れてる上に手際が悪い私はめちゃくちゃどんくさい。出発時間は迫る。みんなに姫様のように助けてもらいながら、パッキング終了。思いっきり敗北感を感じつつ、サンダーバードで京都まで。京都からは近鉄で一気に奈良。奈良駅の行基前で自転車を組み直してようやく慈眼寺到着。夜11時半。
クタクタで「もう、自転車はしばらく乗りたくない・・・」と思いつつFacebookを確認すると、今回足をつったメンバーが、
「今度のリベンジライド、いつにする?」
の書き込み。怖い。この人たち、本当に怖い。チンギスハンの末裔か何かなの?怖い。