慈眼寺 副住職ブログ

おっさんって、素敵

先日、クラブの指導で某校に行きまして、新入生の体力チェックのため、外で練習しておりました。

すると、目の前に、ロードバイクを担いでいる男子高校生が!
しかもビアンキのカーボン?通学で?高校生が?ノーヘルで?おいおい生徒指導部、コレは黙認なのか(笑)

ノーヘルロード高校生、どうやら故障の様子。普段は声などかけない私ですが、「どうしたん?」と聞くと、

「チェーンが外れました・・・」

「うん。そうだろうね。直せばいいじゃん」

「いや・・・それが直せなくて・・・」

チェーンの脱輪なんて修理というほどでもないトラブル。それともjキャッチャーの内側に完全に落ちてるとかなのかな?と「見せてみて」と見てみると、普通に外れてるだけ。おいおいおい~これ直せないって、どこの雅な方なのか。

「これな、直せるけどな。手はちょっと汚れるねん。君、手入れもいい加減やから、チェーン汚いしな。俺、ちょっと手伝うから、自分でハメてみな。手、汚れても、ええやろ?洗ったらええやん。水道で。俺、クラブの指導あるから、汚したくないねんわ」

「はい・・・お願いしていいですか?固くてハマらないんですよ・・・」

簡単です。リアディレイラーを押せばテンション緩むだけのことです。後ろからプーリー部分を足で押しまして、チェーンをゆるませます。

「ほい。はめてみな。」

「・・・ハマりました。」

「簡単やろ。いつもこうやれよ。」

あとはペダルを回してガッチリはめて、あとはお返しします。男性高校生は礼を言って帰っていきました。

 

あ・・・ヘルメットかぶれって、言うの忘れた・・・。

 

どうせ通学なんか2キロ3キロ。大層にビアンキのロード買ってもらったのか、もらいものか知りませんが、チェーンもはめられないのはカッコ悪い。

まぁでも私もたかがパンクで往生した経験もありますし、チェーン脱落もタチが悪いのもあります。コレで彼が慣れてくれたらいいなと思います。慣れないと思うけど!

まぁでも、個人的には、おっさんが若者を助けられて、大満足。

大工さんとか、建築屋さんとか、石屋さんとか、電気屋さん。あと!水道工事ね!「手に職」系のおっさんはカッコイイです。まず手がゴツイ!私なんぞはその対極に位置するもやし人間です。母なんかからは幼少期から、「なんやこの手!女の子か!なーーんもでけへん手ぇやな!」と散々バカにされて育ってきましたので、その点はコンプレックス満開であります。

が、長いことコツコツやってきたことに関しては、部分的にできるようになってきましたし、力も徐々についてきます。握力って、おっさんのほうが若人より強いんですよね。今では慈眼寺内では空かない瓶の蓋は、私の担当になって、ポン!とあけて「おおお!」なんて言われまして、ひ弱男子の心が盛り上がります。クラブでも故障したポールで困っている高校生に「貸してみろ。どや!」と解決した日などは、自宅で祝杯モノであります。ひ弱だからこそ、小さな「おっさん力」に感謝の日々。着物だってスラっとした若いイケメンなんて全然似合いませんし、風呂屋での立ち居振る舞いもおっさんが最もカッコイイ。サウナなんておっさんパラダイスです。

おっさんになるのも、悪くないもんですなぁ。