AGITO
最近ブログの更新が滞っております。
原因はハッキリしております。
アマゾンのせいです。
4月から仮面ライダーアマゾンズの2ndシーズンが始まりまして、アマゾンズファンの私は満を持してアマゾンプライム一か月無料体験に加入。はじまったアマゾンズは想像以上のテンションと予算とグロさで最高の滑り出しでした。
しかし、それだけなら週1回40分。アマゾンプライムの恐ろしさはここからでした。
テレビも映画も見放題。
イナズマンもアクマイザー3も全話見放題なのです。コレは恐ろしい!年会費3900円でこんな夢のような生活。逆にBSとかCSとか加入するのが馬鹿らしい!こうして「手始めに平成仮面ライダーを見返す」という作業にかかったところ、ドツボにハマりました。毎晩疲れてるのに夜中までひたすら仮面ライダーをみる毎日。アカン!廃人や!アマゾン廃人や!
しかし久しぶりに見たアギトがもう面白くて面白くて。
実は本放送のとき私留学してまして、最初の方見損ねたんです。それで時代に乗り損ねたからあんまりちゃんと見なくて。それで本腰入れてみると本当に面白い!いやー仮面ライダー史上珠玉の傑作なのでは。正直クウガはそんなに好きじゃなかったんですが、見返しても粗ばかり目立ちます。「古いモノをみてる」感がすごい。
それに比べてアギトのすばらしさ。
確かに秋山莉奈の眉毛の処理が、「ああ、こんな時代あったなぁ」みたいな古さは感じるんです。出てくる人みんなすごい棒読みだし。今の特撮はそう思えば洗練された人が出てるなと思います。それと戦闘シーンですね。アクションが単調で見せ方のバリエーションが少なく、いまの特撮の方がその点はCGも含め、飽きさせない絵が見られます。
しかしそれらを補って余りある脚本の練りぶり。とにかく伏線回収が遅い!じっくりじっくり少しずつ謎が明らかになっていきます。さらに一つ一つの謎がまた別の小さな謎を呼びながら、全体として小さな謎の連環が巨大な謎の輪郭をなぞっていく構造。正直、ライダーとか戦闘シーンは本当に申し訳程度。基本は人間ドラマなんですよね。役者は先ほど言ったように棒なんで、これはもう脚本の妙ですよねぇ。棒だ棒だと言うてますが、役者さんはいずれ輝く逸材揃い。要潤に平岩紙(ファブリーズの)に神木隆之介くん!そして前述の秋山莉奈。のちにデンライナーに乗るときはもっと美人になってるんですが、おそらくこのときが一番「旬」だった気がします。横顔なんて快慶の仏像そっくり!日本の美の極致ですね。私の尊敬するオタクさんが言ってましたが、まさしく「美少女としか言いようがない存在」でした。ちょっとくらい棒読みでも全然OKッス。宮沢りえも七日間戦争のとき演技としては終わってましたもん。
しかし2001年という時期に世紀末ブームの産物を全部盛りしたようなゴテゴテの世紀末丼という感じ。エヴァンゲリオンとケイゾクを足して特捜最前線の器に入れたようなこの感じ。結局それは「コレ、SPECだよね?」という感じに仕上がっており、「実はケイゾクとSPECとをつなぐミッシングリンクは、アギトである」説を全力で推したいと思います。神木くんが出てるってだけじゃなく、たぶん絶対堤さんアギトのオマージュでSPEC作ってますよ。
六本の角という設定が熾天使の六枚の羽根を連想させますし、内容はまんまヨハネ黙示録やノアの箱舟の話ですし、SPECが風呂敷広げ過ぎて畳めなかった設定を見事に過不足なく消化している点でアギトは非常に優秀です。アギトをAGITΩと表記してるのなんてちょっとわざとらしすぎて恥ずかしいですが。ただ、AGITOについて色々なページで「AGITOはラテン語で”覚醒”の意味」と書かれているのは、設定集か何かの元ネタの拡散なのでしょうが、agitoは「動かす」の一人称じゃないのかとか、agoの三人称なんじゃないかとか、いずれにしても動詞であって「覚醒」の意味なんかあるのかなとか思ったり。まぁ毎回「覚醒せよ!」言うてるんで、「覚醒」の意味なんでしょうが。ラテン語はドロップアウトしたので私の不勉強なのでしょう。
アギトのいいとこは、のほほんとした記憶喪失の主人公とかホントどうでもよくって、完全に警察ドラマなとこ。特捜最前線みたいな古さがいいですよね。今で言うとちょっと相棒チックといいますか。わりと官僚組織の世知辛さみたいな切ない描写がそれとなくあったりしていいです。仮面ライダーの刑事モノといえば最近の傑作ドライブがあるわけですが、あっちはちょっとポップなデカ魂で、私鉄沿線97分署っぽい。アレはアレで大好きですけど。そういえばドライブもヒロインのパパがマッドサイエンティストというオチだったなぁ。
とにかく今のライダーとの違いばかり感じてしまうんですよ。
今はナゾなんてすぐ解いちゃう。展開が早い。こんなにじっくりしてられない。どんどんおもちゃ売らないといけないから、どんどんフォームチェンジしないとダメ。このへんで映画とのタイアップでスペシャル入れて、ここで甲子園とかゴルフ中継でお休みですねとか、ああ今日はギャバンとコラボですか。もうそんな時期ですか。そろそろ二号ライダー出るころですよね。ネットのネタバレで先はこうなるみたいですね。
そういう「スケジュールの消化」感が全然ないんですよね。手探りだから。今やバンダイの中では、ガンダムよりよほど重要なポジションにライダーがあるので、必死で売らないといけない。もう4番バッターなんですよ。アギトのころは「平成ライダー」という枠すらそもそも既定路線ではないですからね。たまたまクウガが売れたから次やってみたっていうだけ。その手探り感が結果的によかったんだろなぁ。
あ、それと露骨に人死にますよね。平成ライダー初期って。とくにアギトだと子供が殺されるシーンとかあって、コレ今は無理だなと。毎回人が必ず死ぬ。一人以上必ず死ぬ。アクションは最後に申し訳程度。ギルスのにーちゃんは出るたびウンウン唸ってるだけだし、コレ、本当にニチアサにやってたのかよって信じられないですね。しかもこのあと龍騎。殺伐とした時間帯だよなぁ。
そして大事なこと忘れてた。出渕裕の怪人がいいんだよ!初っ端の豹頭見た途端に「イアイア!アルフェットゥ!」とか叫んじゃいそうでしたよ。ローテンブルクの拷問博物館からとってきたような怖いカラス怪人とか、昆虫系の気持ち悪いのとか。ベルセルクは絶対アギトからパクってるね!とか確信しながらみてました。この世のすべてはアギトから生じてるんですよきっと!
そんなわけで!まぁとにかくアギトが良すぎて毎日寝不足なんです。
今日のネタ楽しむ人、今までの読者層でどれだけいるのか不安ですが、純粋な仏教信者さんにも、自転車マニアにもまったくかすりもしないこんな興奮のために、ブログの更新頻度が下がってるんです。しかもアマゾンプライムで見たい特撮はまだまだあるわけで・・・。
「ネットは広大だわ・・・」
の言葉を残して、二度と姿を見せなくなったら、ごめんなさい。
アマゾンプライム、それはいのち。