慈眼寺 副住職ブログ

奈良はYDM㉑ 本格ミラノピッツァ マガジーノ

さて、1時間の峠TT練習のあと、汗びっしょりで来た道を下ると、さっき下りていたはずのBMCジャージの人がまた登ってきました。

でました。キツイ反復練習!

僕コレダメでね~。同じ峠を二回連続!もうストイック過ぎる!無理無理!
行きと帰りで二回は仕方ないけど・・・。でも、自分に足りないのはこういう練習方法なんだろうなぁ。

そんなことを思いながら鉢伏を下り、家に戻ります。約束があるのです。

そう。この日、娘が幼稚園から帰るまでの間に、奥さんとランチの約束をしていたのであります。滅多にこんな時間ができることはありません。久しぶりの夫婦のみのランチ。奥さんが洗濯機を回すあいだ、時間をもらってのTT練習なのでありました。

向かった先は香芝。

その昔かれこれ8年前が最後でしょうか。妹夫婦と私たち4人でピザが美味しいというお店に行きました。
たしかナポリのピッツァの大会で3位だったか、有名なお店で、たくさんの人が並んでいた記憶があります。そして、かなり美味しかったです。ただ、誰かから「あそこは子供連れ厳禁やで!」と言われ、妹に子供ができてからは行けず。自分たちにも子供ができて行けず。食べログでも子供連れに厳しいと書かれていた気がして、「次行けるのはいつやろか・・・」と思っておりました。

そんなわけで、今日はお寺も学校もなくて、雨予報で自転車も乗れない。娘が幼稚園にいる間にダッシュで食べに行こうという話に。

あっという間にものすごい雨が降りはじめ、車でそこそこかかって、香芝に。
12時頃についたのですが、駐車場は満杯!失礼ながらこんな田んぼの真ん中なのに・・・。すごいなぁ。

しかし案外待たずに済みました。どうやら席数は多いものの、駐車場が少なめな模様です。

中に入ってビックリ!

いきなり子供の姿が。

アレ?昼はいいのかな?それとも、解禁???

オーダー前に店員さんに尋ねますと、

「え?ずっと前から子供さん連れてきても結構ですが・・・」

え?あの噂、なんだったの???

ただ、奥の赤いお部屋は、子連れ禁止ゾーンらしく、席に余裕がありました。もし子連れだったらもう少し待たなければならなかったかもしれませんね。しかしこれは声を大にして言わないと。

子供連れてきて全然OKです。

8年我慢して損したぜ。

オーダーして待つ間に、部屋の隅に、見慣れたものがッ!

んんん?????

アレは・・・あのブルーの細い鉄のチューブの三角形は・・・?銀の輪っかは・・・。

ロードバイク!

ふらふらと立ち上がり、近づきますと、お店の方が血相を変え、「あの・・・?何か問題がありましたでしょうか???」と心配してこられました。

「いえいえ!何も!ただ私自転車好きなもので・・・。何乗ってはんのかな?って!テヘヘ!」

みたいな感じで答えますと、ホッと安堵されたのか、私の母親世代くらいの奥さんは、「ああ!アレ!息子のですねん!」と一気に友達のお母さんモードに。

「ウチの子、イタリア好きやから!せやからイタリアの自転車らしいんよ!」

「ほーう・・・」

なるほど。あのええ感じのいかにもイタリアな外観・・・。俺はコレを知っている。知っているぞ・・・!

「ああ!アレね!確かにイタリアですよね!」

GIOSのヴィンテージですね。入門用なんですが、十分な性能なんですよ。あんだけうまいことイタリア~ンな雰囲気を、一般常識のギリギリの範囲内の価格で再現してるのって、なかなかないんですよね~。もうあざといほどにまとめてる。まとめ過ぎてるのが鼻につくくらいのもんです。オシャレな美容師さんとか、服屋さんとか、フラペで気軽に街乗りとして使ってるのが似合いますね~。かといってコレで遅くても涼しい顔して「俺、本気出してないんで~」って感じしますし。でも、正直、ちゃんと整備さえしてあれば、名前だけメジャーなとこの高価なクロモリと値段ほどには変わらないです。誤差誤差。速い奴が乗ったら速い。少なくとも、自転車のせいで負けることはない。

「結局ウチの子、通勤に使う!言うて飾ってるだけやねん!アレ、値段教えてくれへんねんけど、ナンボすんの?」

「え・・・?どう・・ですかね?近くで見ていいですか?確認したいので・・・」

ヴィンテージはヴェローチェかティアグラかで値段が倍ほど変わりますからね。面倒だからダブルレバーだけ見たらいいですね。ハイ!レバーなし!

「わかりました!」

「で、ナンボ?」

「ええっと、18万くらいッス!」

「え・・・・・・・」

なんかすごいリアクション。

「2・・・2万くらいと違うの?」

「いやー無理無理!2万じゃ、車輪のとこだけでも怪しいッス!」

・・・っていうか、コレ、言わんほうがよかったのかな・・・。息子さん、困ってないかな・・・。

家帰って確認したら、最近値上げして21万になってたから、3万円安く言ったと思えばむしろいいことをした!とポジティブに考えることにします。それに「そんなに高いんやったらもっと乗りや!」とか言われて乗るきっかけになったら嬉しいしな。やっぱ乗ってナンボですからね~。

しかしこれをきっかけにお母さんは随分私に気さくに話しかけてくれるようになりまして、いっぱい話してくれました。8年前に来たときはもっとお高い感じの雰囲気の店だったように感じましたが、全然違いましたね。勘違いでした。

そんなことがありつつ、いよいよやってきたピッツァ。

最近草抜きですっかり日焼けさせてしまった奥さんの手も写っており恐縮ですが、半分カルツォーネで、半分マルゲリータというものでした。私はカルツォーネが大好きなので、全部カルツォーネがよかったのですが、奥さんが女性に多い「バランス型オーダー」の権化のような、私と真逆の頼み方をするため、高度な政治的判断で奥さん寄りのオーダーにしました。でも美味しかったですね。少なくとも私の知る限り、奈良市内ではこれ以上のピッツァを食べたことはないですね。セットのサラダも自家製野菜だそうで、味が濃くてよかったですね。

どっちが美味しいと比べる気はなくて、私が個人的においしい!と思ったピッツァは昔御堂筋線のあびこにあったイタリア人のお店と、あとは名古屋の友達が採算度外視で勝手に作ってくれるピッツァですねぇ。特に名古屋のお友達は本当においしい。あ、あの人もGIOSだ。

いやー本当になかなか奈良でこんなおいしいの、食べられないですから、車も大変ですし、ロードなら25㎞程度余裕も余裕ですし、今度ここにロード仲間と来るのもいいですねぇ。「子連れはいいけど、レーパン禁止」ってルールができないように、大人しく食べよう。

そんなわけで、奈良にもこんなミラノ感満載なピッツェリアがあり、しかもロードバイクに乗ってらっしゃる。もう、それだけで★3つな副住職なのでありました。