慈眼寺 副住職ブログ

“貴族”の生活

奥さんと子供が帰ってきました。

毎年年末は一週間、奥さんと娘が実家に帰るのですが、今年は久々に私も同伴。2泊して一人だけ帰宅でした。
毎年自由な「独身貴族」を味わえる貴重な時期ですが、はてさて、今年はどうだったのでしょうか。

今年はRaphaのFestive500というライドイベントに参加しておりました。コレが結構誤算。

イベントと言っても、各々勝手に乗って距離を稼ぐというもの。
24日からの8日間で500㎞を走るとバッジとか、あとは商品とかもらえるかもよという企画。
今は何でも携帯やPCで走行ログが記録され共有されるので、簡単に証明ができます。

毎年、こんな押し迫った時期に500㎞は微妙だなぁと参加を見合わせていましたが、今年は新しく知り合った方々が参加してる勢いでつい参加。コレが結構誤算。

アレもしたい、コレもしたいと毎年思いつつ、なかなかできないものですが、今年は自転車に忙殺されました。

第一の誤算は帰省中の静岡ライドが23日だったこと!1日違いで計算に入れられない!140㎞初日に走れればそのあとスゴイ楽なのに!おまけに23日散々登ったあげく、翌日長距離運転で奈良に帰って、疲れて寝てしまい、24日も潰れました。

年末でもお寺はそれなりに仕事ありますので、午前中はだいたい潰れます。午後もクラブがあれば行きます。そうなると、空いた時間はだいたい自転車に乗ってる感じ。もはや仕事。

はやばやと諦めたら楽だったのですが、中途半端に頑張ってしまい、「ここらで一発ロング入れたら希望が出てくるで!」などと断ち切れない煩悩。

もう面倒なので、「自転車で部活に行って、自転車で帰ればいいやん」とか思い始めましたが、昔それやって一発で風邪ひいたのでさすがにやめました。阪奈道路往復して間に部活とか、仕事を超えて懲役です。

独身貴族二日目には、住職にお歳暮の干物を頂きまして、じゃあ、それ食べようかと思って魚焼きグリルを使うと、網が真っ黒。真っ黒を通り越して、部分的に太い。焦げがこびりついて、太くなっている。よく見ればレンジまわり、換気扇も汚れています。奥さんも掃除しているのですが、結婚前から私が使って汚していたのが重層的にこびりついて、もはやどうしようもない状態です。

「よし。一人の間にやってみよう。」

と思い立ちます。危険な洗剤などは娘がいたら使えないですし。

午前仕事、昼間に自転車or部活。じゃあ、いつ掃除?

自転車が乗れない夜ですよね。
こうして「貴族」であるはずの優雅な夜には、ひたすら魚焼きの網をゴシゴシ擦ったり、換気扇を外して油の鍾乳洞みたいなものにでくわし、「ぎゃあああああ」と叫んだり、地味すぎる修業の生活が始まりました。

手持ちの洗剤では全くグリルの炭が取れず、最後には奥の手!

10代からの友達、スイス在住のケンちゃんが昔くれたけど、超インドア派なんで全く使っていなかったスイスの十徳ナイフ。アレで削ったところ、アラビックリ!めっちゃ取れた!スイスに届け、この思い。

ケンちゃん、ありがとう!

最後に困ったのはコンロの吹きこぼれの茶色いシミ。取れんわぁ。試しにケンちゃんナイフで削ったら取れたけど、あんまりやって傷になるのも困るなぁ。

ということで、翌日はホームセンターで洗剤などを買い揃えます。

今回のピカイチはコレ!

https://www.amazon.co.jp/友和-Tipos-アビリティークリーン-本体-500ml/dp/B0012DOY92

アビリティクリーン!

油汚れにサッと吹きかけるだけで!・・・とはさすがに行きませんが、コレをかけてから、金属ブラシでこすると、コンロがピカピカに!やった!コレはグリルや換気扇、壁面の油にも使え、汎用性高し!ただし、結構強めの薬剤なので、目に入らないように注意が必要。噴霧状でもちょっと目に入ったら痛かったので注意です。ちゃんと注意書きの通りに使いましょう。手袋もきっちり防水にしないと、手が相当荒れます。指についたら一気にきた。自転車用の分厚いゴム手袋が役立ちました。

そんなわけで、毎晩お風呂につかりながら、重曹につけおきしたグリルをブラシで磨くなどの地味な作業を続け、気が付けば奥さんたちの帰る前日に!

ハッ!貴族のはずが、家事えもんみたいな生活してる!自転車乗ってる分、マイナス!

さすがに買い物したい!じっくり試着とかして一人を楽しみたい!どこに行きたい?ええと・・・ええと・・・

高の原イオンに行きました。

イオンかよ!結局イオンかよ!マイルドヤンキーかよ!
とはいえ、頭に浮かんだ行きたい場所が「ユニクロとモンベル」だったので、欲望を満たすのは高の原イオンしかない。

心行くまでじっくりユニクロを吟味し、何も買わず。
わぁ~今日はモンベルもじっくり見られるぞ~とおお喜びで試着しまくり。

「ダウン軽ッ!こんなんユニクロの買うのアホやん!」

などと感動し倒し、しかし買わず。

結局自転車用インナーとして安定のジオラインインナー(中厚)を1枚。さらにライドでお腹が冷えるので、以前からモンベルの腹巻きを持っていたのですが、これですら私のデリケートなストマックは守れず。今回ついに禁断の「厚手腹巻き」を購入。さらにさらに井手町あたりに最近クマが出たり、宇治川ラインに野良シェパードがいると聞いたので、熊除けの鈴購入。

合わせると9000円くらいと結構な額になってしまい、「お、奥さんがいないのに9000円はちょっと緊張するな・・・」と思いつつ、下痢と熊は怖いので思い切って購入。

これが貴族期間の唯一のぜいたくとなりました。(アビリティクリーンと)

こうしてつらつら書きましたが、「なんて感心な旦那さま!」とかアピールしたいわけではないのであります。旦那さんが家事をするときの鉄則があります。

「見返りを求めてはダメ。見返りを求めてはダメ。見返りを求めてはダメ。」

3回復唱してください。3回ですよ!3は魔法の回数です。C.Sルイスも言ってます。

「こんなにやってやった」と、ふんぞり返るならやらない方がマシ。普段やってる私はなんやねんという話です。むしろやったことで、

「なんで今までしてくれなかったん?もっとしてほしいときあったのに!」

と怒られる危険性すらあります。注意です。しない方がマシ!

だいたい旦那の手料理って、「よーし!今日は頑張るぞ~!」とか言って高価な食材、高価な調味料をわざわざそのために買い込んで、何時間も煮込んで焼いて、汚すだけ汚してオシャレな料理を作って、後片付けもしないのがオチ。じゃあ一人で吉野家行けって話。

とにかく「やってあげた」感が最小限にしなければなりません。結婚の先輩からは、

「”ありがとう”って、言ってくれるだけで、全然違うのにな…。」

と、寒い夜に染み渡り過ぎる深いお言葉。寒くて凍えますッ!

こうして独身貴族期間が終わり、無事帰宅した奥さんからは「わーきれいになってる。ありがとー」のお言葉を頂けました。先輩、やりましたよ…。

 

ちなみに毎年、心の荒んだ私と離れ、向こうのお義兄さんと一緒にいるとすっかり穏やかでいい子になって娘が帰ってきます。今年もそうでした。もう、お義兄さんの子供にして、年に数回俺と会う形の方がいいんじゃないかと真剣に思っている私であります。