静岡サイクリング
翌日、夜にはこっちのご家族全員で食事会の予定。自由気ままな私は、一人別行動で、静岡サイクリング。
一人六時に起きて、静岡からひたすら北上。そう、今回は富士見峠から井川~千頭~新金谷と大井川鉄道を逆に回る新規開拓ルート!
静岡駅のすぐ近くにはあの駿府城。
「あの忠長の・・・」
と、「シグルイ」のせいで完全にねじ曲がってしまった偏見で、おどろおどろしく見える駿府城址。そこから昨日通った新東名のインターを横目に県道27号をどんどん北上。途中、一人だけ全身アソスのおじさんとすれ違います。
しかし実際に自転車で走りますと、確かにここに城築くのは賢いなぁと三本の川と箱根の山、さらに川の奥もひたすら山。これぞ天然の要害であります。奈良なんかより全然都会の静岡ですが、自転車でちょっと走ると信じられないくらい淋しくなります。葵区はマジでヤバい。なんぼ広いねん。京都市右京区並に「えっ?まだ市内なんですか?」と誰にとはなく問いただしたくなります。何より東側が山のせいで朝日がまったく浴びられないです。寒い!そしてかなり早い段階で、「最後のコンビニです」と遭遇。この、最後のコンビニとか、最後のガソリンスタンドの表示にはマジで従っておかないと、何度も死にそうになりました。実際このあと、ミニストップ中川根店まで、シャレにならんくらいコンビニがありません。
安部川を渡り、189号へ。寂しさと寒さがさらにワンランクアップ。田んぼや畑には白いものが・・・。寒い。暖かいはずの静岡が寒い・・・。こんなに走りやすいのに、誰一人すれ違わない。寒いと言っても、奈良の東の方の寒さに比べたら全然OKなのですが、不人気なのか?このコース?山添村から名張に向かうくらいの寂しさです。
横沢に入り、急に斜度がアップします。よっしゃ!ヒルクラっぽくなってきたでー!日光も当たるようになり、ポカポカ!
調子が出てきたところで、オアシス発見。
cassso横沢さん!パン&カフェ!
よくこんなところで・・・。カッソは過疎?からもじっているのか?しかし有難い!おいしそうな食事メニューもありましたが、まだ休憩するには早いので、パンだけ補給食として購入。
さらにここから斜度が上がり、いよいよ、今回の目標「富士見峠」に向かいます。
実は一瞬この山と山のあいだから富士山が見えたので、写真を撮ったのですが、なぜか全く写っていない!マボロシ~!?
しかしきっとこの先には富士山がバッチリ見えるはず!なんたって、「富士見峠」なんだから!
結論:見えませんでした・・・。
ご丁寧に展望台まであるんですが、そこから見えるのは南アルプス。富士見峠のてっぺんからはあまり見えない気がします・・・。
やはり清水や沼津の方行った方がそら綺麗やわ。考えたら分かるやん・・・。
最大の目標が空振りに終わり、井川ダムに到着。
ミニ鉄道があったりなんかします。詳しくないんですが、いわゆるアプト式?日本でドイツの単語を表記するとたいてい「b」を「ブ」と読みますが、アプト式(Abt Sytem)は珍しく「プ」の発音で表記していて、いいですね。
途中こんな雄大な景色も。このへんの川はやたら緑なんですが、なんかの化学変化?かと思いきや。寸又峡のほうはチンダル現象で有名なんですねぇ。チンダル現象の原理はよくわかるんですが、なんでここだけこんなにハッキリと青いのだろうか。
寒いのに楽しそう。
このあと、トンネルをいくつか越え、ようやく千頭に到着。折しも機関車トーマスフェアをやっている最中でものすごいファミリーの数。
目隠しのように置かれた車両の奥にはトーマスだがゴードンだかなんだかよくわからない奴らが。
どうでもいいけど、どっかで見たことあるなと思ったら、思いっきり近鉄特急走ってますやん!
https://matome.naver.jp/odai/2141320315664612301
奈良から来たおっさんが、奈良から来た電車に静岡の山奥で出会う・・・。もしかして、この車両に乗ってたことあるかもしれない。すごいな大井川鉄道。途中何人ものカメラマンが沿線でスタンバっており、トーマスやらSLが走る姿に遭遇するかも!と思った期待は外れ、SLの汽笛が聞こえたときは線路から遠く・・・。でもここ、やっぱり楽しいルートですね。
千頭を超えたら一気に人家が増えまして心がやすらぎ、安心してサイクリングできました。島田市経由で自転車で通れない1号線を避けて進みます。奈良あたりに住んでいると1号線といっても自転車で通れる道路のイメージ。しかし本来1号線というのはそういうものなのかもしれませんが、静岡ではとにかくバイパスとしての位置づけが強く、1号線=自転車ほぼ走っちゃダメ!の自動車専用道路的位置づけ。何というか、山の中の真っ暗な道にポツポツと道の駅のようなものが点在する怖い道が静岡の1号線であります。
そんなわけでうまく1号線を避けて静岡に近づきましたが、最後は宇津野谷の峠のトンネルが難所。まるで奈良の清滝トンネルのようにいったん反対車線に動いて歩道を走り、また階段を上って左車線に戻るという自動車中心主義の権化のようなトンネルであります。
難所を超えればもう余裕。帰りの静岡まであと少しのところの安倍川を渡る橋ではくっきりと富士山が見え、俺は何のために富士見峠に行ったのかと。
パンクもなく140㎞存分に楽しみ、バッチリ食事会の時間には間に合い、自由人ながら最低限の規律は守った私。
翌日には妻子を置いて、一人車で奈良に戻り、住職と二人きりの男やもめみたいな暮らしに突入するのでありました。やっぱ静岡楽しい!