慈眼寺 副住職ブログ

文楽と週刊プロレスと

毎日色んなおうちを檀家参りしておりますと、色々お詳しい人に出会います。
自分でも全く知らない世界の話を聞けるのでたいへん勉強になって楽しいのですが、だいたいは半年もすれば専門的な話も尽きてしまい、世間話になってまいります。

ところが、世の中には、蘊蓄の泉が枯れることなく、ひたすら話し続ける方がおられます。あとの檀家参りの都合上、打ち切らねばならないのですが、毎回尽きない情熱に感心することしきりであります。

いや、いくら好きでも、ですよ。

毎月毎月、同じジャンルの話をひたすら30分独演というのは、なかなかできません。すごいですよ。僕のさしはさむ余地なんてないですからね。この方は文楽にものすごく詳しい方なのですが、文楽愛がすごすぎる。いや、そういう世界のこと、全然知らないのですが、知らないなりにこれだけ詳しいのはすごいなと思います。

今日は竹本座と豊竹座の話がメインだったのですが、なんか元の団体でやりづらかったから、新しい団体作って新風を吹き込んだはいいものの、結局出戻るやつとかいたりとか、複数団体が切磋琢磨して影響しあったりして業界を活発化させたとか、そこから歌舞伎や能の話になったりとか。

聞いてるうちに、「アレ?これ、プロレスの全日と新日みたいなもんじゃないの?豊竹若太夫って、猪木?長州???」という疑問がふつふつと沸き上がり、そのままぶつけたのですが、華麗にスルーされてしまいました(涙)

いやーでも自分にこれだけ語れるジャンルあるかと言えば、ないですねぇ。仏教、哲学、バドミントン、自転車、全部無理!「広く浅く」とか言ってる人、正直言って苦手なんですが、それは自分が所詮は「狭く浅く」なのを骨の髄まで思い知らされているからなんですよねぇ。その自分から見て狭かったり浅かったりする人が「自分は広く浅くやるタイプなんで」とか言っていると、ヒップアタックとかしようかなと思っちゃいますね。いっぺん見たいですよね。お坊さんのヒップアタック。

とにかく、世の中には自分の想像もつかないほど、何でも知ってる人がいて、しかもわりと世に出てなかったりして、それがまた面白いなと思ったりしますね。いやホント。