るしゃなぶつ
先日、お寺の掃除をしておりました。最近は毎日娘が手伝ってくれるふりをして遊んでいます。
そんなとき、突然娘が謎の言葉を。
「だいぶつの ほんとのなまえ るしゃなぶつ」
最初は、何を言っているのか分からず、頭の中で変換候補がたくさんあがりました。
「大仏の 本当の名前 盧舎那仏」
だと分かったときは、「ええっ!なんで???」とビックリ!4歳の女の子が突然こんなこと言い出したらびっくりします。
どうも、遠足で大仏さんを見に行く前に幼稚園の先生が予習で教えてくれたそうです。なんてお寺英才教育!
しかも他のことも覚えていて、
「ここ びゃくごう」
と言って額を押さえます。マジか!!!
「よーし、じゃあ他にも教えるわ。頭のぶつぶつは”らほつ”な。びゃくごうもらほつもホントは長い毛なんだけど、シュルシュルッ!って巻かれてあんなんなっとんやで!」
と、さらに余計な知識を追加。
「なんで!?」
「ああ、パワーがすごいから、毛が丸まってんねん。すごいやろ。」
「すごいー」
「あとな。なんか頭のてっぺん盛り上がってるやろ。あれ、オダンゴしとんのとちゃうで!あんな頭の形やねん!盛り上がってんねんで!”にっけい”な!」
「すごいー」
まぁ、本当の名前、で言えばヴァイローチャナの方がいいような気もしますが、ちゃんと「銅造盧舎那仏座像」で国宝指定ですから、「るしゃなぶつ」のほうがいいですよね。まぁ僕も、ヴァイローチャナってお経の本じゃなく、ジャンプの「ゴッドサイダー」で知りましたし。
そして予習バッチリで大仏さんを見てきた娘。実はその前にも2回見てるんですが、やはり勉強してからの大仏は格別だったらしく、家に帰っていきなり机に向かい、何やら描きはじめ・・・
おおおお。これは親バカながらけっさく!手のデカさが実際に見た臨場感を表してていい!!これはかなりのけっさく!
しかし娘の創作意欲は止まらず、こののち、5,6枚の「るしゃなぶつ」を描き続け、そのたびに違う表情を見せます。
これなんかは理知的で慈悲に満ちた目が大変すばらしい。ありがたい。拝みたくなる。ちょっと鼻がキン肉マンっぽいけど、これは柱の穴くぐりにインスパイアされてますな。本当にいいよコレ。本尊にしようかなと本気で思うくらいですね。バックの光背もいい感じ。実にいいなあ。
他にも不動明王っぽい作品もあったりして、「おえかき」というより「仏師」と言った方がいい感じです。今まで散々色々な仏像見てきたのに、やっぱり幼稚園っていうところは、子供を成長させるなと思いますねぇ。