サドル大好き

世の中には色々な「変態さん」がおられます。

煩悩の塊、と言えばそれまでなのですが、人間であれば皆煩悩にまみれておりますゆえ、変態さんこそ、最も人間らしい、と言えなくもなく。

数年前に排水溝の中に潜んでスカートの中を覗いていた方が、捕まったときに、

「来世は、道になりたい。」

という、ある意味で彼岸に渡ってしまいそうな深遠なる名言を残し、その、誰も傷つけない理想の境地の、植物のような達観した感じと、現実とのギャップが強烈に印象に残っております。

世の中にはサドルをちょっと偏執的に愛してしまう方がいて、事件に発展するほど好きな方も時折おります。
ここで扱うのは適当ではないのですが、「妖怪サドルおじさん」と呼ばれた方や、女性のサドルを200個盗んだ大物もおられます。今日もサドル関連のニュースが飛び込んできましたが、まぁそれを掘り下げるのは野暮でして、このブログの仕事ではないですね。

で、そんな前振りから、こんなことを言うと誤解されそうですが。

サドルが大好きです。

いやもちろん、性的な嗜好はなく、他人のサドルに興味はないのですが、定期的に変えたくなっちゃうんですよね。

現在メインサドルとして使用しているサンマルコのロールスは、重量こそ重いものの、実にフレームに合いますし、座り心地もよくって、何の不満もないのですが、それでも気になっていたサドルがありまして、先日購入してしまいました。

コレです。

タイオガのツインテール？？？

違います。

このシルエット、前にも出ています。

そうこのとき。

De Animaの試乗の際に「なんだこのサドル！？フルカーボンなのにお尻に優しいッ！」とビックリしたのですが、メーカー名も一切刻印がなく、「正体不明のナイスなサドル」としてラガメンで話題になっていました。そんななか先日突如TNIがこれを発売。ここまで露骨にパクるのはさすがに無理があるので、OEMなりなんなり、もともとTNIが製造していたと見て間違いないかと思います。

スペックを見てビックリ。

http://www.trisports.jp/?q=catalog/node/8845

タイオガのスパイダーの最も軽量なものが120ｇ。それに対して、最軽量のものが87ｇ！！！重い方でも108ｇ！！！しかも値段は5000円以上安い！かつて私が使用していたプロロゴの「ただの板やん！」というようなサドルでも130ｇですから、このTNIのサドルがいかにブレイクスルーな存在かわかろうものです。

もちろん、「超軽量サドル」を追求すれば、ボントレガーに68ｇというサドルがあります。しかしこのサドルは59000円！
その他、軽量サドルで有名なセライタリアのSLR C59が63ｇで54600円！

そう考えると、97ｇでも108ｇでも13900円という雑な値付けも含めて、「ＴＮＩって、最高やん？」と結論づけざるを得ません。

そういうわけで、ロングライドにも使える軽量サドル、という位置づけで、太い方でお重い方のサドルをチョイス。繰り返しますがそれでも108ｇ！サンマルコのロールスが382ｇですので、自転車全体を持ったときの感覚が全然違います。明らかに軽い。

それでいてお尻は全く痛くないです。店長はこのサドルで1日で400ｋｍ走り抜いたそうですから、性能は折り紙付き。クラシカルな見た目こそ失われますが、これはこれでなかなか合っています。

274ｇ軽くなったからといって、いきなりヒルクラのタイムが伸びるとは思いませんが、とにもかくにも、前から気になっていたサドルをセットできまして、大満足であります。ダンシングとかあきらかに軽いし。本当にお尻にもやさしい。たわみ過ぎて「本当にコレ、カーボンなんやろか？」と不安になるくらいであります。

そんなこんなで副住職の自転車はこんなサドルになったけど、コンビニで停めていても、なにかイタズラとかしたら、正座させて、なが～いお経を聞かせますＹＯ！