最後まで走る子
先日、娘の幼稚園で生活発表会がありました。
仕事もあったのですが、少しズラして頂いて、見学させていただきました。
とにかく娘が頑張っていたのが印象的でした。
手前味噌ですが、ウチの娘は努力家です。私と奥さんのDNAのどこにそんなもんがあるのかと驚くほどに一生懸命。
あまりにも真面目なので、コイツは杓子定規でクリエィティビティーのない奴になるんじゃないかと心配で「もっとサボれ」「先生の言うことはあんまり聞くな」「幼稚園がすべてじゃないぞ」とか言いたい気もしますが、わざわざ言わんでもええかなと我慢しています。
しかしまぁ、何もかも全力投球。島本マンガかというほどに全力。
劇の役どころは「カチカチ山のおばあさん」という「いたっけ?そんな人」みたいな役なのですが、鍬を振る姿も全力。たぬきに突き飛ばされて倒れる姿も岡ひろみのように全力。踊りのキレも短い手足を完全に超越した全力のスイング。和太鼓を叩くときの姿勢もイーアルカンフーの下段蹴りか?と見まがうほどの全力の腰の入りっぷり。
あとで撮影したビデオを見返したんですが、一緒に見てた私のおじと一緒に、大笑いしてるんですが、なぜか二人とも自然と涙がでてきて、おじさんはティッシュではなくタオルで目をぬぐう始末。
まぁ、クリエィティビティー云々は置いておいて、これはこれで一つの才能だなと。別にたいした実績とか残さなくてもいいので、この一生懸命さを、一生持ち続けてほしいなと、思います。
思いだす言葉があります。
あなたは、息子さんを
「最後まであきらめずに走る子供」に育てましたか?
もしそうでなければ期待をしない方がいいでしょう。
もしそうなら、私が責任を持って育てます。
元日本代表のオシム監督が、ジェフ市原の監督時代、入団した巻誠一郎の父に語った言葉とされています。
その後、巻選手はバルセロナでプレーしたり、W杯で大活躍したりしたわけではないんですが、熊本地震の復興支援活動に尽力したり、名前の通り、本当に誠実で一本気な選手のまま、2018年に引退しました。
ジェフを退団するときには、
「笑われるかもしれないが、このクラブは僕にとってマンUやバルセロナと同じ価値がある。また戻ってこられるように頑張りたい」
と涙ながらに語ったそうです。
「一生懸命」
という言葉があります。元来は
「一所懸命」
と書いたそうです。
武士が与えられた領地を死ぬ気で守ったことに由来する言葉です。
一生と、簡単にいいますが、最初から一生が見えるわけはなく。
与えられた役目を必死で果たし続けることで、一所懸命が一生懸命になります。
昨今やたらと情報があるせいで、「どうせ」「先が見えてる」なんて「さとった」気になって、ガツガツしていないフリをして、恥をかくのを恐れているだけのスタイルが蔓延している世の中ですが。
滑稽なほど全力投球な今の娘の姿は、世界一クールだぜ!と全力で親指を立て続ける父親であり続けたいですね。