イタリアンロードのフェティシズム
先日、忙しい中でも何とか時間を作って!と思わせる会合があったので、ほんのちょっと時間を作ってお邪魔してきました。
その名も「Zulloフレームお披露目会 feat.MASSO」!
いつもの京田辺ラガッツィメンバーが、この度新しいフレームを購入!もちろん鉄!しかも2本!メーカーはズッロ!そんなわけでTiziano Zulloさんの愛弟子MASSOさんが納品ついでに飲み会に乱入するといういつものパターン(3回目?)です。今回はお店を予約せず、ラガッツィでシカゴピザ食べながらワイワイガヤガヤするという男くさい流れ!いつもそう!
一人目はラガッツィ屈指のパワー派。走り出したら止まらない、「自転車乗って、気がついたら鳥取だった」という名言を残した孫二人の若いおじいちゃん!ズッロ パンタレイラガッツィカラー!
ラガッツィカラー初号機はこんなのでした。
にやける店長。
あれから数年。弐号機誕生!
それは・・・・
おおお渋い!
大人カラー!
オレンジ部分がカッパー(銅色)になり、ゴディバの包装紙のような上等感!
紺色は夜明け前のような濃紺からやや明るさを増した何とも言えない青!初号機が深夜なら弐号機は夜明け前!二人ともブルべライダーなので、夜が似合う!
おじいちゃん大満足。
ご本人の撮った画像がやはり一番きれい。思い入れが違う。
オリジナルリヤエンドの美しさ!
そしてお次は・・・
うちの住職と同い年!にもかかわらず気持ちは超若いリアルおじいちゃんのKさんが選んだのは・・・
TONICA!
クラシカルな容貌に騙されるなかれ。
持ったら超軽い!
ズッロスチールフレームの中最軽量のティグ溶接モデル。
何でもかんでもラグにすりゃいいってもんじゃない。かといって、ラグが売りでもティグが売りでもしょうもないハンドメイドフレームも散々見ました。得体の知れないどこかの大量生産パイプをゴテゴテとひっつけて「オリジナル」と称し売りさばく人もみました。
好みはそれぞれ。
ただ、我々の選んだものはコレ。
おじいちゃん、喜悦。
二台並ぶと壮観です。
世の「クロモリ好き」が必須の条件として挙げる「ラグ」「ホリゾンタル」をあざ笑うかのような二台。もちろんその真髄は所有者がこのフレームにまたがったときに発揮されます。サイズもジオメトリもカラーもすべてオーダー。そして本物のイタリアの名工がハンドメイドしてくれるわけですから。もう夢たっぷり。
フレームお披露目で盛り上がったあとは、MASSOさんのディープすぎて書けないことだらけのよもやま話。
とりあえず一つだけ書ける話を紹介しますと、イタリア人自転車職人が自転車で一番こだわる箇所は2か所。自転車を見るならここを見ろ!という二か所。
一つはフォーク。
これは、イタリア人男性の大好きな女性にたとえると「脚」だと。
二つ目はシートステー。
これも女性にたとえると「お尻」だと。
そこにはフェティシズムがなければならない、とイタリアの名工はいうわけです。
太いところから細い部分へと流れる曲線にこそ美の真髄がある、と。
アメリカのはその点、ガリガリなのに突然とってつけたようなお肉が乗ってる、と。イタリア人はそれは「セクシー」だとは思わない。
で、ズッロとカザーティはやっぱりそこは、同じフェティシズムを持っている気がする、というお話でした。
そういえば、お坊さんがあげるのもどうかと思うこんな画像があります。
これはVOGUE nipponの表紙ですが、リネアオロと女性の姿が非常に象徴的です。これぞイタリア人のロードバイクの一つの理想、だったのでしょう。
ですから上の写真もいやらしくないのであります。
これはあくまでイタリア人の「美」の象徴。ミケランジェロ、ダヴィンチといっしょ!やらしくない。全然やらしくないですよ!自転車の美しさっていう話ですからッ!だから拙僧フォークとシートステーしか見てござらん!みてござらんよ!え?女の人?いたの?しらんかった!
いや~ロードバイクって、すばらしいですね~!