慈眼寺 副住職ブログ

ツール・ド・六道輪廻

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191203-00000024-it_nlab-sci

アマゾンで自転車パーツなんかのレビューを見ると「え?なんであんなもんが高評価???」と感じることが多かったのですが、裏でこういうこともあるんですねぇ。

これだけネット情報が我々に近くなると、むしろこの仮想現実の方が「現実の顔」をして振舞うようになっているのを感じます。クチコミが「リアル」を反映している、という部分はもちろんあるのですが、逆にそこに乗っかってフェイクを紛れ込ませる、ときにはフェイクで埋め尽くしてまともなレビューを埋没させ、「フェイク」を「リアル」に変えてしまうような本末転倒なやり方もまかり通るようになります。とはいえ、何が「まとも」かどうかも人によって異なりますので、やはり情報の真偽を見抜く力を養わねばならないというあたりまえの結論に。

自転車関連なんかだと、もうさんざん見て触って使った人同士で情報共有して「アレ、ええで」という声を聞き、さらに、「あんな3日で1000キロ走るような変態のオススメは、自分的にはアウト」などという「顔が見える」どころではない関係性からの判断が可能になります。でもこれがちょっと畑違いで、なるべくお金は使いたくなくって、というおそるおそるなジャンルだと、たちまち私も「☆5つ200件」とかをアテにしてしまうときがあります。中国こええと思ったりもしますが、中華カーボンでも優秀な製品があったりもするのでこれはもう、そういう「冒険」をやってるんだという、それ自体を楽しむ目線があればなおいいかなとか思ったりします。

だいたい物事はすべて攻略本通り順風満帆でゴールまで到達してもちっとも面白くないのであります。あくまで「死なない程度」という条件付きではありますが、失敗した経験のほうがはるかに面白いし、無駄にお金を遣った人の話は聞いてる分にはすごく面白い。

「失敗したくない」

という感覚が、わりと現代の共通感覚になりつつあり、自分も例外ではないなと思ったりするわけですが、「失敗したくない」という気持ちが、逆に成功を遠ざけることも往々にしてある。いやいやそもそも、成功か失敗かなんて誰が決めるんやという話。自分が成功だと思ったら大成功。自己満足以外に満足なし。

迷って迷って、疲れて寝たとこが目的地。

そんな人生もアリじゃないの?とか思う今日この頃です。