慈眼寺 副住職ブログ

TENMOKU

令和元年もそろそろ終わりだなというクリスマス前、突然ラガッツィに忘年会の召集が。

今年はないのかと思っていたら、突如長野からアトリエキノピオの安田さんがやってくるとのこと。
そう。彼がやってくるということは、

新フレームが納品されるということ!

ああ、また自転車の話か。俺関係ないな!と思った自転車ジャンル読み飛ばしの読者の皆さん!今日は自転車趣味のない人もビックリの作品です!ビビるでマジで。

さて、いつものようにロシア人みたいな帽子をかぶってやってきた大男。イタリアンの巨人。安田さん。今年会うのは3回目。6月から3か月おきに会ってることになります。もはや同級生とかより会ってますねー。

今回のフレームのオーダー主はラガメン随一の筋肉を誇る50代、Mさん。
筋トレマニアで、ボディビルダーほどではないですが、均整の取れたすごい身体と万力のような手のスキーヤーです。自転車はもっぱら冬以外に乗る感じ。

彼が去年の6月に飲み会でオーダーした内容が・・・

曜変天目!!!

曜変天目とは茶碗の一種。今年話題になったアレです。宇宙みたいな柄が窯の中で突然変異的にできちゃうやつ。


https://souda-kyoto.jp/travelplan/youhentenmoku_sp/index.html

つまりコレですわ。世界に3つしかないというアレ。

今年、なんでも鑑定団で4つ目がでた!いうて大騒ぎになって、この通り、ブルータスにまで載っちゃって。

https://magazineworld.jp/brutus/brutus-891/

 

で、その柄にせい、と。

 

無茶やん。

 

それは無茶やん。奇跡の焼き物で、作り方も分かってない柄にしてくれって。

で、安田さん、その場で「おお~コレきたか~!!!」と困ったような顔をしたのち、

「思い当たる技法が1つだけある」

とポツリ。レイザーラモンRGのあるあるじゃないんだから、そんなにポンポンでてくるのかいな!?と私はビックリしたのですが、その曜変天目柄がついに完成したとのこと!マジか!

こうしてラガメン大期待でラガッツィに集合。各自食べ物飲み物を持ち寄り乾杯。

すでにブツは数日前に到着していましたが、Mさんも筋トレマニアだけあって我慢は得意みたいで、まだ見ていません。僕なら考えられない!筋トレってマゾしかできないッスよね~。

宴もたけなわになって、いよいよそのとき!

きましたTENMOKU

このとき撮った画像があんまりだったので後日撮った画像を紹介。

すごいですね・・・。すごいとしか・・・。

ちなみにもっと美しい画像はアトリエキノピオさんのFacebookページにアップしてありますのでそちらをどうぞ!

一枚だけ紹介しておきますが、この通り・・・

宇宙を感じますよねー。小宇宙じゃなく、大宇宙ですよねー。

っていうかもう”ペイント”ってレベル超えてますよね。僕は安易に「芸術」だの「アート」だの言うのが嫌いなのですが、そういう陳腐な表現を使わざるを得ない自分の語彙のなさに直面してしまいます。

なによりこれはデジタルで作成したパターンではなく、手塗りの!厚みの差がまったくない作品なんですよね。だから光の反射がまっすぐ線になって入る。コレは本当にすごい。ウェブデザイナーの人とか簡単にテキストパターン作って貼るだけですけど、この作品は技法の段階から手探りなわけです。さらにこれを現実の曲面に塗るという行為の前に、何かと何かをかけあわせて柄のパターン作ったことを「クリエイト」と呼んでいいのかなと思ったりすることもあります。いや、ウェブはウェブで色々あるのでしょうけれど。

ちなみに技法としては、詳しくは言えませんが、日本の漆塗りの技法を参考にされたそうです。ちなみに金色の部分には本物の金箔を使用しているとのこと。金沢までいって、金箔が飛ばないようにする便利な道具まで買ってきたというから呆れます。ここまでやるか。ちなみに正面のズッロのエンブレムも少し汚して古色を出しています。なんなんだこのやらしいばかりのオシャレぶり!

まぁため息がでるばかりの作品ですが、個人的に問題だと思う点が一点。

コレ、乗れるのかっていう(笑)

こんな芸術作品みたいなもんにまたがれるのか。水たまりとか走れるのか。電信柱に立てかけられるのか。

ただただ眺めてしまいそうでおそろしいフレームです。

 

ところで、安田さん曰く、今回のこの作品、「ええ宿題でおもろかった」とおっしゃってましたが、同時に、

「写真アップして、いっぱい注文されたら困る・・・」とこぼしてました(笑)