慈眼寺 副住職ブログ

プロのワザ&天然の奇跡?

慈眼寺境内、本堂真裏にずっと生えている柿の木。
樹齢400年を超える古木で奈良市指定の文化財になっております。

その古木のかなり上の方の枝が二か所枯れてきており、いつ落ちてきてもおかしくない状況。
コレは危険!となったのですが、指定文化財であるがゆえに、柿の実ならともかく、大枝を切るとなると、文化財課の許可が必要になります。さらに高さは3階建て相当。柿の枝は折れやすく、登るのも危険ですので、植木屋さんに頼んだとしても「クレーンが必要」と言われました。クレーンのレンタル代金はかなり高額。さてどうしようか、仕方ないか・・・と思っていたところ!

都祁村の大工さんが

「知り合いに”山師”がおる」

と一言。

な、何?山師って???

「山師(やまし)」

  • 鉱山技師
  • 伐採を請け負う人
  • 投機的な事業で金儲けを企てる者
  • 詐欺師

3番目と4番目が怖すぎる!

そんな私の思惑をよそに、どうも2番目の意味の人らしく、安心。

そして当日、慈眼寺の駐車場に、車が数台!

おりてきた男性たちは思い思いに準備をはじめ、こなれた作業着とブーツや地下足袋に着替え、ロープや金具や電動器具を準備。

いかにも、なプロぶり。まるでランバラル隊。これぞアウトドア。なんかそのへんでキャンプするヘナチョコ現代人に見せてやりたいプロっぷり。

そしておもむろに作業開始!

あっという間に木に登り・・・

足場を確かめて、小型のチェーンソーのようなものでカット!

数時間で・・・

この通り!プロの山師のワザ!カッコイイ!

切られた枝には、なんか黒い模様があり、「虫に食われてる?」と思ったのですが、どうも違うもよう。

https://www.rakuten.ne.jp/gold/craft-okaya/aboutkurogaki.html

もしやこれか?「黒柿」?

樹齢400年だからそら、なる可能性はありますね。すごいですね。記念にとっておくことにしました。

この柿の木のすぐ下が私の子供部屋で、ドラクエも受験勉強もいつもこの木の下でやりました。受験勉強で息詰まると、屋根の上に登って木を眺めていたものです。

しかし、縄文杉とかそんなのに比べたらまだまだ若造なのかもしれませんが、柿界ではなかなかの大御所。室町時代からずっとここにあるって、大先輩にもほどがありますよね~!

毎年葉っぱや柿の実の掃除で大変な木ではあるのですが、枯れるのはこの枝だけにしてもらって、まだまだ元気で頑張ってもらいたいものです。